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「たとえばこんなインターネット活用術」(2002/9)


[前] ひそかにリンクを張る

定期的に「単語集」の内容を更新する

アクセスログを見てみると、そこにはいろんな情報が込められている。 非常に面白いのは、ときどき、ぼくが用意した HTML ファイルには 含まれていない単語がそこに書かれていることだ。 これは、たとえば、朝ドラの「さくら」に関する情報を検索しようと したときのことを考えるとわかりやすいかもしれない。 「さくら」というのは、 固有名詞として非常に使われやすい単語であるから、 検索のときに単に「さくら」と入れただけでは、 自分が欲しい情報にたどりつくことはかなり難しいだろう。 そんなときは、「さくら 連続ドラマ」のようにして、 複数の単語を列挙して検索するのがふつうだろう。

 このように単語を複数並べた検索の場合もそれまでと同様、 アクセスログを見たら、どういう検索キーワード群を使って ユーザが自分のサイトに来たかわかってしまう。 だから、たとえばこの場合、ぼくがすでに用意した HTML ファイルに書かれいていた情報が「さくら」だけ だった場合、HTML ファイルにはない 「連続ドラマ」という新たなキーワードを得ることが できるわけだ。

 ぼくは、定期的にログをチェックして、まず HTML ファイル上にある各単語について、それぞれの単語が 「単語集」にたどりつくための検索キーワードとして 何度用いられたかを数え上げ、 単語ごとにランク付けをおこなうことにした。 また、ログファイルに新たな単語を見つけたときは、 その単語も「単語集」に加える作業を行った。 こうすると、 とりあえず最初は20単語くらいを列挙するところから始めたわけだけど、 このページへのアクセス数が増えていくたびに、 いろんな単語が「単語集」に追加されていくことになり、また、 「単語集」に書かれた単語が多くなるほどに アクセスが増える、といった感じで、 単語集はどんどんデカいものになっていった。 また、期間ごとの「単語集」へのアクセス数、 経由したサーチエンジンごとのアクセス数、また、 ドメイン別のアクセス数の推移に関しても 定期的に調査することにし、その結果もまたHTML化して 公開することにした。

 ただし、こんな作業を手作業で定期的にチマチマやるほど ぼくは記憶力がスゴいわけでもないし(もの忘れは昔から得意技だ)、 忍耐強くもない。 そこで、上に書いたような一連の作業を、計算機に 定期的に勝手に実行させるようにした。 ぼくたちのサーバが UNIX 系 OS だったことは、 ぼくにとって非常にありがたかった。だって、 UNIX ベースの環境では、ちょっとした知識さえあれば、 その程度の処理の自動化くらいは簡単に行えるようになるからね。 遊ぶのにはピッタリ!

 「単語集」の更新を計算機に勝手にやらすことにしたため、 ぼくは、月に何度か「単語集」のことを思い出して 様子を見てみるといった程度で「単語集」と付き合える ことになった。 「月に何度か」というのがぼく的にはミソなところで、 それより頻繁に「単語集」と付き合おうとすると、 絶対途中で飽きて放置してしまうだろうし、 かといって、月に一度くらいも思い出してあげないようだと 「単語集」と付き合ってるとは言えない(単純に放置してるだけじゃん) だろうと思うし。 こんな感じで、ぼくは、「単語集」との細くて長い付き合いを スタートさせた、って訳だ。




 こうして始まった、ぼくと「単語集」との 付き合いなんだけど‥ まず残念なことから書かないといけない。 ぼくの「単語集」の試みは、ある程度成功したし、 ある程度失敗した。

MonthAccsMonthAccs
1996/07272 1998/1195258
1996/08714 1999/02169115
1996/091083 1999/05156104
1996/101121 1999/0896404
1997/025084 1999/11113673
1997/058421 2000/0274722
1997/0824449 2000/0584609
1997/1144466 2000/0889775
1998/0244675 2000/11116342
1998/0596898 2000/12107523
1998/08123976 2001/0373064

表 2: 「単語集」アクセス数推移



 何が成功したかというと、この「単語集」はそれなりの アクセス数を得ることができたことだ。 ぼくの「単語集」のアクセス数全体の推移を 表 2 に示してみたけど、 1998 年の後半から 1999 年のあたりでは、 月あたり約10万程度のアクセスを得ることができた。 この程度のアクセスがあれば、 単語の推移について語っても、そんなに 罰は当たらないんじゃないかとは思う程度には なってるんじゃないだろうか。

1996199719981999
1lolitalolitalolitalolidus
2turupetapreteenpreteenlolita
3adultturupetasexpreteen
4japanesesexnudesex
5preteenchildsexturupetaporuno
6girlchildpornlolidusturupeta
7japannudepicsnude
8nudelolitasexfreeloli
9pussylolitaslolitasnudist
10picturesrolitalolifree

表 3: 「単語集」アクセス上位10傑



 逆に、何が失敗したかというと、収集された単語が属する領域だ。 「単語集」に集まった単語の、年ごとの上位10傑を示したのが 表 3 なんだけど、 何というか、当初は予想もしていなかった展開になってしまった。 無論、最初に仕込んだ単語の中には ``nude'', ``lolita'' という単語もあったので、 そっち方面の単語もそれなりに展開するであろうことは予想していた。 でも、もっと普通の単語も増えていってくれるだろうという 期待はしていたんだ。 しかし現実はそんなぼくの期待を無惨に打ち砕くものだった。 単語のアクセス数についても、新しい単語についても、 アダルト系しかアクセスが増えていかない‥ しかも、よりによって、世界的に最もタブーとされているはずの、 少女・幼児関連のアダルト系の単語しか増えていかなかったんだ。 結局、この方向性は「単語集」を運営していた間、 ついに変わることはなかった(途中、何度か テコ入れを試したことがある。とくに「今後が期待される単語たち」 と称し、ぼくが「単語集」で最初におこなったこと、つまり、 「単語集」にない、しかも大勢におおっぴらに吹聴できそうな 単語を列挙して、「単語集」の傾向を変えていこうと試みたことは あった。けど、アダルト、チャイルドポルノ関連の単語がもつ、 魔性のような巨大な勢いの前では、まったく無意味な抵抗に しかならなかった。)。 かくて、ぼくの「単語集」は、一見しただけでは 巨大なチャイルドポルノ系サイトのような ものになってしまったのだ。がーん。 こうして、ぼくはこの「単語集」の存在を、 大っぴらに大勢に吹聴することができなくなってしまった (だったらそこでやめろよ、という声が聞こえそうな気も するんですけどね‥)

 さて、では、なんでこんなにアダルト関係、とくに チャイルドポルノ関係の単語にぼくの「単語集」が 占拠されることになってしまったんだろうか。 ぼくが当初「価値の高い単語」として期待していたのは、 流行語の類だった。でも、世間において 最も価値の高い単語、すなわち、 その需要に対して供給が不足しやすい単語というのは、 じつは「ふだん思っているんだけど、人前などではなかなか 口に出して言えないもの」に関連する単語だということ なんだろう。 それを実際に証明しているのが、 アダルト関連、なかでもタブーとされる チャイルドポルノ関連の単語がぼくのサイトに殺到してしまう という現実に他ならないとぼくは思った。 この「単語集」は、 世界じゅうの大勢の人たちが持ってる欲望、 その一つ一つは日常的で些細で小さいものなんだけど、 それが集まることによってスゴい力となりえる、 てなことをぼくに実感させるのには十分なものだった。

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