[Muthu]
はこの世にただ一人。その他のものはみな従者。

Muthu に関する


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Sivaji 2007

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"Sivaji -- the boss":: インドでは June 2007 に公開された映画みたいです。 日本語題は「ボス その男シヴァージ」

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あらすじ

冒頭、警官に何となしの敬意を払われながら、刑務所に連行される一人の男、シヴァージ。 刑務所の周囲には民衆がつめかけ、シヴァージを解放しろと大騒ぎしてます。 他方、このシヴァージを「ペテン師」と呼んで敵視する人たちもいるみたいです。 この男、一体、何者? 何をしたのか?? ‥本人は笑って答えます。「国の改革さ」と。

 んで、話は過去に遡ります。といってもそんな過去ではありません。 インドでは貧乏な家庭で生まれ育った若者・シヴァージが、アメリカでIT関連の事業で 大当たりして大金持ちとなり、チェンナイに戻って来たところから話は始まります。 シヴァージは、みごとに発展を遂げて現代的な大都市になったチェンナイに驚きます。 しかし一見、繁栄を謳歌しているように見えるチェンナイでも、貧困という問題は もちろん無くなっていません。 シヴァージは、その25億もの資産を用いて、貧困層の人たちのため、 無料で入学できる医科大学と、無料で診察できる総合病院の新設という夢を実現しようと していたのです。そんなシヴァージの前に立ちはだかるのが、 すでに大学を運営して入学料や授業料などでガッポリ稼いでいるアーディシェーシャン。 商売敵になるシヴァージの出現に、危機感を感じています。


(Vaaji Vaaji)

 物語の前半は、この大学・病院設立をめぐるシヴァージの苦闘がメインストーリーと なっているんですけど。それと並行して「シヴァージの嫁取り」の物語も進行していきます。 さすがに病院設立の苦闘というマジメなストーリーだけだと30分もしないうち飽きてきますからね。 嫁取りのエピソードはかなりコメディ風な味付けになってます。 今風のギャルばかり紹介されるのに対し、 シヴァージは「僕は古風なタミルの子がいい」と主張します。 でも古風なタミルの子なんて今更、寺参りに来るような子しかいないだろう、 ということでシヴァージは まだ見ぬ嫁を探してあちこち寺院巡りをします。 そしたら、イター!!! タミルセルヴィーという名前の娘さんみたいです。 向こうの反応は家族ぐるみで冷ややかなものでしたけど。 シヴァージ一家は、相手の一家と仲良くしようと、もう、押しの一手です。 スナックとして出された唐辛子の山を丸かじりしたり、あと色黒なのがイヤと言われて、 まさかの美白大作戦を決行したりして。‥て、おい! 美白作戦、成功??!! [Oru Koodai Sunlight - Style Song]

 他方のマジメな話。 夢に向かってまっすぐ進むはずだったシヴァージの前に、現実という名の 悪夢が襲いかかります。あまりに煩雑すぎる行政手続き‥というか、 リベートをくれないシヴァージに対しては、皆冷ややか‥どころか、 敵対してプロジェクトを潰す気満々なようです。ついにシヴァージは折れ、 20億の予算のうち、言われるがまま4000万をリベートとして献上するのでした‥。 そしてようやく事業は進んで‥いやいや。州政府の首相にも別途リベートが必要らしく、 その額が、なんと5億!! シヴァージは全財産を抵当に入れ、なんとか賄賂資金を工面するのでした。 これでようやく夢が実現できそう?! ‥いや、たぶん何かあって失敗するんだろうな、と 思わない人はいないと思いますが‥。

 それはそうとシヴァージの結婚話。 いつしかタミルはシヴァージにすっかり心を許していたんですけど。 でも古風な娘らしく、シヴァージと自分が結婚した場合、とんでもない災難が シヴァージに降り掛かりシヴァージは死んでしまうという、そんな占いを信じて わざとシヴァージに冷たくしていたことが判明します。それが判明したらもう、 結婚話はトントン拍子で進むように思われましたが。

 そんな中、思わぬニュースが飛び込んできます。州政府の政権交代です。 アーディシェーシャンも思い切った手段を‥。 でも、それが何でニュースになるかというと。新しい州知事が、シヴァージに 5億のリベートを要求してきたのです。それを払わないと州政府はシヴァージに 病院と大学の建設を許可しない、と。‥‥がーん。 すでに全財産を使い果たしスッカラカンになったシヴァージには、 5億のリベートはどうやっても捻出できません。かくて夢破れ、 一文無しになってしまったシヴァージ。せっかくの結婚話も暗礁に乗り上げます。 失意のシヴァージに、商売敵のアーディセーシャンが話しかけます。 「私が最初の客だなんて 幸先がいいぞ // 物乞いになれ」 そして1ルピー硬貨を一枚、シヴァージに手渡します。 何たる屈辱‥。でもシヴァージはじっと耐えるしかありません。

 すべてを失ったシヴァージ。自分は今後どうしたらよいか。 ‥アーディシェーシャンにもらった硬貨のコイントスの結果に従い、 果敢に攻める方針で行くことに決めます。果敢に攻めるとは? ‥‥ここらでインターミッション(たぶん)。

 シヴァージが取った方法とは。役人や政治家などが溜め込んだリベート、 裏金などの強奪でした。といっても全部奪うのではなく、なぜか全部奪った後に、 半分返すという方法です。ただ半分返すといっても、その後 税務署に裏金の証書などをタレ込んじゃいますので、 シヴァージに裏金を奪われた人らは ほとんど身の破滅状態になってしまうんですけど‥。

 こうしてまた財産を築きなおし、夢だった無料病院と無料大学の建設を実現し、 無事にタミルとの結婚を果たしたシヴァージでしたけど。 その荒っぽい手口のせいで あちこち敵だらけで、つねに生命を狙われている状態、 しかもインドの中央捜査局(CBI)もシヴァージ逮捕に向けた捜査を行っている感じで、 もう、四面楚歌もいいところです。シヴァージはこの苦境をどう脱するのか??

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つぶやき

  • この社会派的ストーリーは何なんでしょうかね。これでラジニが政界進出したら 絶対当選しちゃうよ!! 感満載なベタな展開にビビってしまいました。
  • でもこの話、どうやら 「実在したインドの伝説的な俳優シヴァージ・ガネーシャの一生をモチーフに」 (ラジニカーント主演、シャンカール監督作『ボス その男シヴァージ』)して 作られたみたいですけど。ストーリーのどこまでが実話ベースなのかというのは よくわかりません。 シヴァージ・ガネーシャンという人は政治家になったみたいですけど、残念ながら 政治家としてはあまり成功しなかったらしいことはわかりましたけど‥ [Wikipedia:en]
  • タミル映画なので当然、音楽も盛りだくさんなんですけど。個人的には "Balleilakka" がなかなか印象に残りました。 なんだそのオヤジどもの腹踊りはッッ!! (^o^; [Balleilakka Song HD -- Youtube]
  • それにしてもCGなどの特殊効果を「これでもか」とばかりに盛り込んでます。 特殊効果は もうちょっと さりげなく使ったほうがよいのでは? と思ってしまわないことも ないですけど、でも歌もアクションもCGも使えるものは何でも目一杯詰め込んでこその マサラ映画ですから、これでいいのか。
  • 最後、ラジニがスキンヘッドで登場してきましたけど。あれはガチなの?! 特撮CG?! ‥なんて、割とどーでもいいことが気になってしまいました。
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