『佛説作佛形像經 (大正No.0692;[SAT]; 闕譯人名出後漢録) の、 大雑把訳です。1997年に大雑把訳したもののようです。 PCの底に沈んでいたファイル群を整理したら出てきましたので、 HTMLの体裁をちょっと手直ししてご紹介させていただきます。 何故これを大雑把訳したのか、すでに記憶もないのですが。 たまたま目についたから、とかその程度の理由だと思います。
[Table of Contents]仏がコーサラ国の 拘翼という名前の諸樹園主のもとに滞在されていた時のことです。
そのときの国王は優填といい 14 歳でした。 王は仏が来られることを耳にして、臣下の者どもをひき連れて、 仏をお迎えにあがりました。一行ははるか遠くから仏のお姿を見つけ、 心が踊り、歓喜しました。王はそこで車を降りて、歩いて仏をお迎えし、 自分の頭を仏の足に当てて、また仏の周囲を3周しました。そして仏に こう申し上げました。
天上天下の人民の中で仏に匹敵するほどの者など存在いたしません。 いま仏の全身から放出されている光明もまぶしく、同上でございます。 私は仏のお姿を拝見させていただいておりましても、決して飽きることが ございません。いま仏は天上天下の師でありまして、 仏の慈悲の心による恩恵は多大であります。
仏は黙然としたまま、何もお答えになりませんでした。 王はさらに仏に申し上げました。
善行をおこなった人が福祐を得るのは、どのような 仕組みによるのでしょうか。といいますのも...私は、 仏がお去りになられた後に、再度仏を拝見できないのではないかと 危惧しております。そこで仏形像を作成いたし、 これを供養いたしたいと存じます。この場合、どのような福が 獲得できるのでしょう。
仏におかれましては、私めに対するご慈悲によりまして、 このことについて、教えをお説きくださいませ。
仏は仰せです。
年少王よ。よいことを申すものじゃ。私の言うことをよく聴き、 忘れぬようにせよ。王は承知いたしました。
仏は王に仰せです。
仏形像を作成したときに得られる福祐について、詳細に、 おまえのために説明してやろう。王は感謝いたしました。
仏は仰せです。
天下の人が仏形像を作成した場合、後世に生まれ変わったときに、 目もとスッキリ・顔つき端正・身体手足すべてナイス。天上に生まれた 場合であっても同じで、他の神々とは絶異なのじゃ。 作仏形像得福如是。
仏形像を作成したら後世に豪貴の家に生まれることになる。その 財産は世間の人とは絶異なのじゃ。そして決して貧乏にならない 子供として生まれる。 作仏形像其得福如是。
仏形像を作成したら後世に「身体常紫磨金色端政無比」になるのじゃ。
仏形像を作成したら後世に富家に生まれることになる。そして 数えきれないほどの銭財珍宝を所有するのだ。 そして常に父母兄弟などに愛されることになる。 作仏形像其得福如是。
仏形像を作成したら後世にジャンブ・ドビーパの帝王・王侯家に生まれる ことになる。そして賢善な子供として生まれる。 作仏形像其得福如是。
仏形像を作成したら後世に諸国の王たちの中でも最もすぐれた帝王となり、 諸国の王たちの尊敬をあつめることになる。 作仏形像其得福如是。
仏形像を作成したら後世に遮迦越王に生まれるのだ。天上に上った後で 地上に下りてくることも思うままにでき、行くことができない場所など 存在しないほどである。 作仏形像其得福如是。
仏形像を作成したら後世に第7梵天上に生まれ、1カルパの寿命を持ち、 並ぶもののないほどの智慧をもつ。 仏形像を作成したら死後ふたたび悪道の中に生まれることがなくなる。 そして生まれたならば、つねに自制心を保ち、 つねに仏道を求めようとするようになる。 作仏形像其得福如是。 仏形像を作成したら後世に生まれたとき、つねに仏の慈悲心・経典への 崇拝の心を持ち続ける。また諸の華・香などを仏舎利へとお供えし、 そののちの数えきれないカルパの後に涅槃の道を獲得することになるのだ。 珍宝を仏にお供えする者は皆、凡人ではなく、前生から仏道をおこなっている のだ。 作仏形像其得福如是。
仏形像を作成したら後世に得られる福は無限であり尽きることがない。 数えきれないほどなのだ。天下にある河・海にある水の量と比べても、 10倍はある。とにかく後世に生まれたとき、人々に尊敬されることになる。 仏形像を作成することは、比喩でいうなら、雨が降ってきたときに 立派な建物があれば恐くないのと同じようなものである。
仏形像を作成したら後世に再び悪道に生まれることがない。 ある人が仏形像を見て仏塔舎利に帰依するなら、その死後100カルパのあいだ 悪道の中に生まれることがないのである。 死ねば天上に生まれ変わり、天上における寿命が尽きて世間に生まれる ことになっても富家の子供として生まれるのだ。そして 数えきれない珍宝奇物を所有し、その後で仏涅槃の道を獲得するのじゃ。
仏は王に仰せです。
善行をするならば、仏形像を作成せよ。それで得られる福祐はこういった 感じなのだ。嘘ではないぞ。王は歓喜いたしました。そして 王と臣下どもは皆、仏に礼拝してからその場を退去いたしました。
寿命が終ってから皆はアミダ仏の国に生まれ変わったそうです。
[TA 1997]