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安部真弘「侵略! イカ娘」というマンガで「外道」を見つけました。 『週刊少年チャンピオン』2014年2+3号(1月6+9日号)です。 発行年は2014となっていますが、発売は2013年12月12日ですので、2013年の用例と しています。
以下に用例を:
自分の思うとおりに他人を動かすため。そのため、他人が大事にしているものを
人質(?)に取って脅迫しようとする行為。そんな行為をおこなう人(栄子)に対して
「この外道〜!」と、ちょっと のんびりした感じに罵倒してます。
‥というか、「外道」と言われた栄子のほうがエキサイトしてますから、
これ、罵倒と言っていいのかよくわからないところもありますけど(^_^;
このあたりについては、文脈を見てみると理解が深まります。ドミノ倒し遊びをはじめた イカ娘が、ドミノを並べているうち、栄子がいる部屋のドアの前にもドミノを並べてしまった。 それを知らずに部屋にいて、トイレに行こうとした栄子をイカ娘が力ずくで止めるわけです。曰:
「もらすのは一瞬でゲソが 崩れたドミノを直すのは 大変なのでゲソよ!」これに対して栄子が上記のような実力行使に出たら、イカ娘が「外道〜!」と言って、 さらに栄子を怒らせる、と。「エビ枕切り刻んで待つ」というコマだけを取ってみると 栄子が悪いようですけど、文脈全体で見ると「外道〜」と言い放ったイカ娘のほうが ずっと悪い、と。そういう文脈ですね。
この場合、「他人に迷惑をかけてる人が、ちょっとした反撃をくらったら それで大騒ぎする」という 世の中に割とありがちな不条理な状況、これを 簡潔に示すための道具としてイカ娘が「外道〜!」と言わされている、そんな 状況が見て取れます。つまりここでは、「外道と言われた相手は、 目的のためには手段を選ばない、そんな『人でなし』に対する罵倒の言葉」 として使われているんだろうなと理解できそうです。
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