[ ぐるTOP :: 導師 ]

Who knows what a 導師 is?

「グル」の訳語としてよく使われる「導師」という語について。


[前] [ふろく] 仏名経について

バッドトリップを防ぐ導師

[ インチキ「Guru」感想文 ] のページにある以下の記述:

 導師というのは宗教用語とはいえ、特定の宗教にあるものでなく、 宗教学上の観念のようなもので原始宗教やネイティブな宗教にもみられる、 「特定の役割を持った人」のことです。その役割といったら、そ りゃもう導師なんだから導くわけんですが、本当に「グル」 が導くかというと そうでもなく。いや、やっぱ導くかな、なんと言ったらいいか…

 理想や希望というたいまつをかかげ、人々の先頭にたって導く。 というのはグルの役割ではないんですね。グルの役割を一言で言い表すなら

「バットトリップにおちいらないよう、修行者の傍らに立って導く」 ということになります。

 もう少し、具体的に柔らかい言葉にすると、迷ってい人や困ってい る人がよくない発想や想像をしないように導く人だとか、役割がなければと りたたてなにもせず、ただ見守る人というかそういう役目ですね。それ で宗教の内側、では「導師」あるいは「師」と呼ばれるわけです。
 用語そのものの出展が古代仏教あたりにあるようで、余談になりま すけど件のカルト宗教ではそれ故、単に「師」という意味でグルという言葉 を使っていたようですが、宗教学的に言えばやっていたことはとても 「グル」とは言えないという
 むしろ「導く師」といっても、アルバム「キラキラと輝くもの」 の「サーチライト」のような導きかたがそもそも「グル」の役割なわけです よ、「俺が照らすからお前が行け!」というようなね

この説明は「グル」について述べてるようで、実は ある文脈における「導師」についての説明ですよね。 いきなり「導師」で始まってますし。 情報源は何なんですかね? たぶん ここでの「導師」は、 その情報源が、さらに情報源にしている定義(たぶん英単語)に 「導師」という訳語を当てているんじゃないか、という気がします。 その元の英単語が知りたい‥。

なお。ここで書かれている「導師」のイメージというのは、 たとえば死者の耳元で「そっちへ行ってはいけない」とささやく人のような 感じかな?? という気がするんですよね。

そこで、この用例と『リーダース英和辞典』の以下の語義:

1d 《米》《俗》 精神科医; 《米》《俗》 幻覚剤を体験する者に付き添う者.
これとあと『ランダムハウス英和大辞典』における以下の語義:
5. 《米俗》精神科医
6. 《米俗》幻覚剤使用者に付き添う者
これとを繋げてみることは可能ではないか、という気がしてくるわけです。
で、どうもヒッピー系かなあ、と思ってゴソゴソやってみたのですが、 そんな中でこんなページを発見。(以下、整理できてない)
http://plaza16.mbn.or.jp/~gnosisjp/index.html
ここの「書籍一覧 サマエル・アウン・ベオールの著書」という ページに「47. ある導師の秘密メモ」と書いてある!! ということは、ヒッピー系じゃくて Gnosis 系か??!! と思い、 さっそく調査。
  • [僧院の魔術、個人主義の魔術、ネット魔術] // 敬愛すべき《黄金の夜明け》団の老師ザレウスキーによると、彼の 修行時代には、団の卓越した導師たちが相互に《不可視の座》 の色や形をチェックしてから儀式に臨んだそうだ。 // 「偉い魔術師」で、たぶんこれは guru とは言わないと思う ... と 思ったら、同じページの下のほうに「グルの病」という記述があるぞ。 んとね、グルについては「  そして、これは最も辛いことかもしれないが、 誰もその成果を褒めてはくれない。《僧院の魔術》では、 師匠と弟子の強い結びつきがあり、いわゆるグル/チェラ 関係が成り立っている。そこは、熱心で、かつ能力ある弟子 には、居心地の良い場所であろう。 」こうある。そいで、ずっと下のほうに「 審霊者がいない状態での魔術記録は、大げさになりがちで あるし、師匠に良いところを見せたいという無意識の媚が、 自分の記憶さえ誇張する。 …(略)…  もし、自己を相対化できず、自制心もなければ、ネットという 匿名の世界で「グルの病」にかかる器用な人物も出てくるだろう。 」こうある。「グル」は「師匠」だ。うんうん。

    ところで。ここで「グル/チェラ関係」とあるけど、「チェラ」って何だろう? と思って 調べてみたところ。まず英語だと chela で「弟子」(「はさみ」とは語源から違う)、 ODEで語源をみるとヒンディーの celā。ヒンディーが語源となると、 やっぱり大元はサンスクリットか? と思って調べてみると、どうやら ceṭa (diener, sclave)が源流みたい。‥なんだけど。どうなんだろ? サンスクリットだと召使、奴隷といった感じの意味しかないから、それが「弟子」を 指す言葉に変わるには何かのキッカケがないと不自然な感じがするんだけど、 それは何なんだろう? (Wiki見ると 「サンスクリットは「奴隷」、ヒンディーだと「弟子」」とアッサリ済ませてるけど‥。 ちなみにヒンディーで本当に「弟子」という意味なのかは未確認。英語だと「弟子」だけど)

    でも逆にいえば、「チェラ」はサンスクリットじゃなくてヒンディー起源ということで、 そんなに古い用語ではないということ。早くて10世紀くらい? (‥って、十分古いんだけど、 インド古代文化を扱ってる人らからみるとそれは「最近の話」と、前に言われた^^;) つまり「チェラ」はたぶん古代インド用語ではなくて、現代スピ用語と判断できそう。

  • [ 反・ギリシア神話 // 失われた女神たちの復権 ] ギリシア人は、ヘルメスのことを「霊魂を冥界へ導いてくれ る者」すなわち「霊魂導師」と呼んだ // 原語は何なんでしょうね???
  • [ スーフィズム、グルジェフ、神智学 ]  スーフィーへの関心の高まりを背景に次々とスーフィーのダーイー (導師)たちが欧米にやって来ました。 // ダーイー!! ピールとは別なの??!! (;o;)
  • R.シュタイナー 「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」(高橋巌訳/イザラ書房) すでに前章で述べ たように、すべての導師を結ぶきづなは霊的なものであり、二つの当然の原則がこの結合帯の留め金となっていた。 今もし導師が堅固に壁に守られたその霊域から出て、公衆の面前に立つとすれば、ただちに彼は第三の原則--「自分 の行為や発言がどんな人の自由なる決意にも干渉しないように配慮せよ」、に従った態度を求められる。 // 「いか超」の p.32 あたりにあるみたいです。 ついにシュタイナー。は〜るばる来たぜ、という感じになりつつあります。
  • http://www.kk.info.kanagawa-u.ac.jp/goto/yoya/docs-jp/misc/hongkong.anita-j.02 トニーの役の道教の導師 [ン・イルホン] がはじめにいったことを覚えておこう // 導師か道師か道士か導士かちょっとわかりませんね (^_^;
(つづく ... 最近こればっか ^^;)