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Who knows what a GURU is? (歴史篇)

「グル」の歴史を見てみよう。

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イスラム教

From: AIBA Tooru <aiba@vacia.is.tohoku.ac.**>
Newsgroups: danwa
Subject: Re: Guru in fantasy (Re: BSD Guru)
Date: 04 Oct 1999 08:58:57 GMT
Message-ID: <AIBA.99Oct4175857@text12.vacia.is.tohoku.ac.jp>

 >> 妄想するに、「導師」って禅の言葉ですよね。

 >日本人の発想というよりも、カリフォリニア経由の仏教学が輸入された影響と
 >考えたほうがわかりやすいのでは(^^)。

そっすねー。日本の「導師」って、なんか非常に形式的、というより
儀式的な感じがするんですよね。それはなんか guru のもってる
個人的・絶対的なイメージとは合わないような気がしてしまいます。

で、ふと思い出したのが、「現代的にグルといえばふつーバラモン教
じゃなくてヒンドゥー教じゃなくてシーク教だよなあ」ということです。

そこで 『世界宗教大事典』(平凡社,1991) を調べてみました。

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【シクきょう | シク教】

ナーナク(1469-1538)を開祖とするインドの有力な宗教。シーク教とも
呼ばれる。<シク sikkh>というのは、サンスクリット語の<シシャ
^si.sya>に由来することばで、<弟子>を意味する。シク教徒は、
ナーナクをはじめとするグルguru(師。とくにシク教徒の場合には
法主)の忠実な弟子であると考えられているからである。そのグルは、
歴史上の人物としては第10代まで続く。
  シク教の教義の特徴は、ヒンドゥー教とイスラムとを批判的に統合
したという点にある。このことは、ナーナクの、<自分はヒンドゥー
でもなければムスリム(イスラム教徒)でもない>とか、<ナーナクは、
ヒンドゥーのグルであり、ムスリムのピール(導師)である>とかいう
ことばによっても明らかである。  ..(略)..

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なんとムスリムの「ピール」のところに (導師) という訳語が添え
られているじゃありませんか!! (^o^)

そこで歓喜しながら「ピール」という単語を引いてみました。

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【ピール | pīr】

イスラム神秘主義(スーフィズム)における導師、聖者。ピールは
ペルシア語で、アラビア語のシャイフにほぼ相当する。主として、
ペルシア系、トルコ系のタリーカで、教団の活動において弟子
(ムリード)たちを指導する導師の意味で用いられる。さらに、
タリーカの過去の聖者をピールと呼ぶこともある。このような
過去の聖者をピールと呼ぶ用法は、職業団体としてのギルドの
場合にも見られる。オスマン帝国時代には、ギルドごとに守護
聖者をもつことが多く、この守護聖者がピールと呼ばれた。
..(略)..  たとえば、この時代のエジプトでは、イスラム初期の
半ば伝説的人物であり、ムハンマドの教友とされるサルマーン・
アルファーリシーが理髪師のピールであった。

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ちなみに「タリーカ」とは..

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【タリーカ | ṭarīqa】

イスラム世界において、スーフィーと呼ばれる神秘家たちの
つくった教団。タリーカのアラビア語の元来の意味は<道>のこと
であった。神との合一を求めるスーフィーたちは神秘的修行を
積まねばならず、そのような修行の道程が元来のタリーカの
意味であった。..(略)..

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話を「ピール」に戻しますけど、ここでの説明文は「イスラム神秘
主義(スーフィズム)における導師、聖者」となっています。
この記述から「『ピール』の訳語としては『導師』が一般的である」
と判断できますれば、

・ pīr の訳語は「導師」とするのが普通
・ シク教においては guru == pīr といえる
・ 日本では pīr という単語はほとんど知られていない
・ guru に訳語を当てる際に、シク教では guru と同じ意味に
   理解されている pīr の訳語を流用した。

こんな流れが妄想できそうなんですけど。どうなんでしょう??


 >P.S.
 >news:alt.internet.guru 
 >というニュースグループがあった。

うおー。あるところにはありますね!!

でも alt.internet.guru ですと何となく guru の意味が予想できちゃい
ますので、alt.guru.internet のほうが良かったなあ、という気が、
してきます (^_^)
[次] Encyclopedia Britannica (1998)