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Who knows what a GURU is? (現代篇)

Recent Usages // 身のまわりにいる「ぐる」たち。

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アニメ「ミクロ決死隊」(1968)

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アニメ「ミクロ決死隊」のグル

1968年にアメリカで製作されたTVアニメ "Fantastic Voyage" (1968) [Wikipedia] に登場するキャラの中に The Guru という呼び名の人が出てくるみたいです。 この人、アニメのオープニングで

"Guru, master of mysterious powers!"
と、紹介されてます。

 他の主要登場人物は 指揮官、医師、エンジニアなど、「いかにも」な感じの人たちなんですけど、 何故そこに「ミステリアスパワーの主」が加わった プロジェクトチームが作られたのか。 どう見ても、一人、浮いてますね‥。そのへん、とてもミステリアスな設定になってます。

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Why Guru?

 でも、なんで「グル」なるナゾの人物が、 このチームの一員に起用されたのでしょうか。 番組の第一回、チーム結成の際、グルを呼ぶ理由についてこのように 述べられています(大雑把訳)。

「神秘、そして説明できないことについて、世界で一番の専門家であります。 魔術(magic)や幻想(illusion)のパワーについて、誰よりも理解しております」

 他方、グルのほうもチームの一員に選抜されたとき、 超自然的な能力でそのこと、チームの一員に選抜されたことを知り、 火の神様(Guruというとインド系かと思ってしまいますが、 火の神様となるとイラン系?)とこのような会話を交わしています(大雑把訳):

「神秘、オカルト、霊、未知なること。これらに熟達せるのは汝のみぞ。 汝は、汝の持てるすべての知識を用いて、悪しき力と闘うことを誓わねばならぬ。」
‥何というか「オリエンタリズム」満開な感じではありますが、同じチームの中にすでに 近代科学的な枠組の専門家の方々がいる訳ですから、それ以外の領域ということで 「神秘、オカルト、霊、未知なること」などの『ムー』的な方面の担当なんですね。

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グルのかつやく

 では、この「神秘、オカルト、霊、未知なること」の専門家であるグル師の 活躍をちょっと見てみましょう。第2話、船員がみな酸欠死してしまった ロケットへの潜入の場面です。ロケットに潜入しようとした一行ですが、 潜入口はロケットの噴射口しかない。ワオ! 潜入しようとしても、これじゃ 焼けこげてしまうよ!!、という場面。ここでグルは言うのです(大雑把訳):

「私がガイドしよう」「どうやって?!」 「焔を理解すれば、それに害されることなし。それぞれの焔の真ん中を見よ。 そこに道筋が見えている」
そしてこの後、超自然的なパワーを駆使して(超自然的なパワーを使うときは、たぶん、 ターバンの中央にある『第三の眼』みたいなやつ?が光るみたいです)、 操縦士に細かな指示を出し、その結果 一行は 無事にロケット内への侵入に成功するわけですけど。 いずれにせよ常に冷静で、チームの他のメンバーたちが気付かないことにもちゃんと気付く、 そういうキャラとして描かれているようです。 オリエンタリズム満開な状況であっても、やっぱグルはグル的に描かれてると 言えましょう。

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動画

Youtubeを探してみたら、いくつか動画がありました。 ちょっとグレー、いや、完全にブラックだろこれ? 的な動画もあるみたいですので、 いつ削除されてもおかしくない感じではあるのですが、こんな感じです:

Wikipediaによれば、 2011年にイギリスでDVDが出たみたいですけど。 日本語版DVDが出るのはちょっと‥いや、かなり厳しいでしょうね。 というかたぶん昔の吹き替え音源なんて残ってないでしょう。

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日本語版

じつはこのアニメには日本語版もありました。

  「ミクロ決死隊 ハンナバーベラプロ 1968」 「いにしえの海外アニメ」 などのページによれば、 日本では「ミクロ決死隊」という題名で1972(昭和47)年に放送していた。 縮小するとき「ミクロー、イン!」の掛け声があった。そしてGuruについては:

  • 「ミスター念力が右手を動かし「ネンリキー」と叫ぶと、だいたい解決してしまう」
  • 「ミスターネンリキ:ターバンを巻いたインド人。どんな困難な状況でも、「ネンリキ~」の一言で奇跡を起こして解決してしまう。正直言って、この人一人いれば他のメンバーは不要。」
  • 「声は納谷六朗さん。」[知恵袋] [納谷さんの訃報について]
つまり、こういうことですね。当時の日本では、 「グル」だと何だかわからないだろうと判断されて、かなり思い切った名前の変更が 行われたということですよね。 そしてついた名前が、ミスターネンリキ!(^o^) (今だったら、どうするんでしょうね。 そのまま名前にして「ミスター・グル」みたいな感じですかね?) (なんか、言われてみると 「ネンリキー」というのは聞いたことがあるようなないような微妙な気分‥)

 ちなみに医師Erica Laneも日本語版では「ミスフラワー」だったらしい[URL]ですので、 当時は登場人物の名前には頓着しなかったんですね。

 「ミクロー・イン!」とか「ネンリキー!」とか、Youtubeとかでシリーズ最初のあたりの オリジナル版をチラッと見た感じでは、それに相当するような叫びは見当たらないんですけどね。 日本版オリジナルの挿入なのか、あるいは何かのテコ入れということで シリーズの後半から入れられるようになったのか‥。 (第2話で "prepare to enter" というセリフがありますけど、 それなのかな? 確認できる事例が少ないので、詳細がよくわかりません。) いずれにせよ、あちこちのページを見てみると、どうやら ミスター念力の「ネンリキー」を記憶にとどめてる人は多いみたいですので、 実はそのセリフが日本語版オリジナルとするなら、なんか不思議な感じですよね。

 それと日本語版の声優が納谷六朗さんだったようですけど。グルの声は 私個人の勝手なイメージでは 納谷六朗さんよりも声のトーンがちょっと低めな納谷悟朗さんのほうが 合いそうなんですけど。 納谷六朗さんがどんな感じで演じておられたか、見てみたい‥。

 ところで。どうでもいいことですけど、なんか 「ミクロの決死隊」というマンガ(石川賢(1979)『宇宙長屋』) [URL]もあるみたいです。 けど、どう考えても この「ミクロ決死隊」とは別モノです‥‥よね? (^_^;

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「ミスター念力」という名前について

 「ミスター・ネンリキ」という名前についてもうちょっと書くと。 英語版では「ミステリアスパワーの主」、担当領域も 神秘、説明できないこと、魔術、幻想‥ですから、この人の能力は とくに念力、すなわち超自然的なパワーには限定されていないはずです。 ‥いや、もちろん、念動力を使うこともありますけど。 でも念動力は なるべく使用しないようにしているんでしょうね。 何でも念動力で解決してしまったらストーリー展開が面白くなくなりますから‥。

 念動力をあまり使わないという点について。 たとえば、このページであげたロケット侵入の際の例でも、 ロケットの中に直接ワープしちゃうとか、自分の念動力でロケットを操作するとかではなく。 "Prepare to Enter"状態に入って感覚を極限まで研ぎすまして、それで 炎の動きを完全に読み、パイロットに「右、左、上、左‥」のような指示を出して 危機を回避させています。これって「念力」なの?! と思う訳です。 (ちなみに。移動するときも他のメンバーと同様の仕方で移動しているみたいです(右図)。 一人だけ空中浮遊して移動とかいうパターンではありません。)

‥‥つまり。「ミスター・ネンリキ」という名前は、このグル氏の本作中での 活躍の内容に基づいて名付けられたのではなく、「なんかインドの山奥で修行してるみたいだし、 不思議なパワー持ってるみたいだから、そりゃもう『念力』だろ?」というノリで 名付けられたことが想像されます。(このへん レインボーマンのダイバダッタ師と 同じイメージですよね。) これはつまり1960年代後半の日本人が「修行者」に対して持つステレオタイプ的な イメージがそういうものだったんだな、ということだと思います。 「修行によって、念動力を身につける」と。 (念のために書いておくと「身につける」がポイントです。 生得的な能力に「覚醒」するのではなく、修行によって体得するところ。)

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