[Top]

餓鬼について

[佛説救抜焔口餓鬼陀羅尼經]に 端を発して作成している「めも」です。


[前] 救済可能な餓鬼

[Table of Contents]
[Table of Contents]

[Table of Contents]

地獄からの救済

なお。あちこち見てみると、地獄に墜ちた人に対して現世の人が影響力を行使したとする 事例もあるようです。たとえば「地蔵菩薩本願経」(大正0412)で地蔵菩薩の過去生を語るところ[SAT]

 地蔵菩薩が過去にバラモン女(聖女)であったとき、無間地獄に墜ちてしまった母親(悦帝利)のため 全財産を投げ打っての仏塔供養・布施を行ったところ‥

云承孝順之子爲母設供修福。布施覺華定自在王如來塔寺。非唯 菩薩之母得脱地獄。應是無間罪人此日悉得受樂倶同生訖 (0779a20)
(大雑把訳) 親孝行な子が母親のため覺華定自在王如來塔寺を供養・布施したので、 (地蔵)菩薩さまの母親が地獄を脱することができた‥のみならず、 無間地獄にいた者どもの罪もみな消えた。

 ‥‥でもまあ、 これはかなり例外といえば例外なんでしょうね。過去生とはいえ、地獄抜苦のお地蔵様ですからね。

 なお、この母親は地獄を脱してどこに行ったのか。鬼王は聖女にこう言ってます:

無至憂憶悲戀。悦帝利罪女生天以來經今三日。(0779a19)
(大雑把訳) お嘆き悲しみなさいますな。悦帝利なる罪女は 3日前に天界に生まれましたから。

「天界」って、あの六道のひとつ「天道」なんですけど。 「そこに生まれ変わったので安心ください」と言われて聖女は安心してるというのは、 日本における六道とお地蔵様との関係を考えると、ちょっと不思議な感じですね。 (お地蔵様については [こちら]もどうぞ。)

[次] 漢字の「鬼」