仏教の地獄王たち
ここまで、「十王」はどうやら道教起源か? もしくはペルシアのゾロアスター教起源か? ‥なんて
話を紹介してきました。
でも、じゃあ、仏教伝統の中に、ほんとうに「地獄の王たち」は出てこないの?? という
話になると、実のところ いないこともない、という感じみたいです。
たとえば『地蔵菩薩本願経』(大正412) [SAT]
(しおり)。
この第8章「閻羅王衆讃歎品」を見ると、こんな記述があります:
[大雑把訳]
そのとき鉄圍山にいる大勢の鬼王たちが、閻羅天子とともに
仏を詣でるため忉利にやってきました。以下の者たちです --
惡毒鬼王・多惡鬼王・
大諍鬼王・白虎鬼王・血虎鬼王・赤虎鬼王
散殃鬼王・飛身鬼王・電光鬼王・狼牙鬼王・
千眼鬼王・噉獸鬼王・負石鬼王・主耗鬼王・
主禍鬼王・主食鬼王・主財鬼王・主畜鬼王・
主禽鬼王・主獸鬼王・主魅鬼王・主産鬼王・
主命鬼王・主疾鬼王・主險鬼王・三目鬼王・
四目鬼王・五目鬼王・祁利失王・大祁利失王・
祁利叉王・大祁利叉王・阿那吒王・大阿那吒王。
-- これらの大鬼王どもで、さらに
各自が百千の小鬼王を連れていました。
(0412:地藏菩薩本願經; p.13:784c03--) [SAT]
閻羅天子に引率された、34人の地獄の大鬼王たち。
‥この王たち、誰一人として「十王」とカブってないですよね。
(書きかけ)