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盂蘭盆経について

佛説盂蘭盆經 (大正0685) に関する「めも」です。


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「お盆」は8月に移動

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本当は旧暦7月15日です

 ところで。日本で「お盆」といえば普通8月13日では? となると思いますが。これ、もともと 江戸時代までは7月15日だったんですよね。これが変わったのが明治時代初期。カレンダーが変わって、 江戸時代まで使われていた太陰太陽暦(旧暦)から 現在使われている太陽暦に変わったとき。 7月15日も平均して約40日くらい前にズレてしまいました(立春の日のあたりが江戸期の正月ですから‥)。

 新暦7月15日だとまだ梅雨の最中、ぜんぜん「お盆」ぽくないじゃん! もっと「お盆」ぽい日を「お盆」にしようぜ、と感じる人が多かったから かどうかわかりませんが。お盆の時期を単純に一ヶ月ほど後にズラして、 新暦8月15日のあたりに「お盆」を行うのが割と一般的になり現在に至っているようですね。 まあ「お盆は旧暦の7月15日な!」とする方法もあったんでしょうけど、 それだと新旧二つのカレンダーを併用することになってワケわかんなくなるよ! となるでしょうから、それは却下されたんでしょうね。 地域によっては今でも「7月15日」にこだわっているパターンも、あることはあるみたいですけど そんな多くはないみたいです。

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なぜ日付がバラバラ?

でも。明治以降、何故そんな感じで「お盆」の日付が揃ってないのか。たぶん、 こういうことだと思います:

最近 の太陽暦の経験でも明らかなように、新しい暦法は原則を指示するのが主であって、これと今 までの慣行との、どう折合うべきかまでには干渉しない。それで地方が思い思いに、自分ば かりの変更をすることが許されて、あるいは月送りや日のくり替え、または無理を承知の追 随というように、‥(後略) (柳田國男(1946; repr.1990)「先祖の話」『柳田國男全集13』(ちくま文庫), pp.81--82)
つまり。明治政府は、それまでのカレンダー(旧暦)を突然チャラにして、 ヨーロッパのカレンダー(新暦。太陽暦)を採用することにした。これによる民俗行事などの 日付の混乱については不干渉、「おまえら勝手に好きにせよ」という態度を取った。 それゆえ日付を一月ずらしたり、 季節のズレを承知で同じ日付にこだわったり‥と、 人ごと地域ごとにバラバラな対応が取られた、といった感じのようです。その中で 結果として多数派となったのが、旧暦の7月15日を一月ズラして新暦の8月15日に する対応だったんですね。

 ちなみに。旧暦の7月15日は 今の暦では (不明) のはずです。 旧暦の一年は約356日、それだと一年ごとに10日ほどズレるので、 たまに補正のため一年を13月(約385日)にしてズレを補正して‥という感じでしたので、 旧暦7月15日が現在の暦の何月何日になるか、というのは年ごとに違っています。