現代日本における外道ども

Comic::ONE PIECE(1997)

週刊少年ジャンプに 1997年から20年以上にわたって連載を続けている 大ヒット作、 尾田栄一郎さんの「ONE PIECE」に出てくる「外道」です。

人間的にクソみたいなやつ

「おれには　やりてェ事が　あると　言っただろう
誰が好んで　海賊なんて　外道になるか」
「別にいい　じゃんか　お前元々
悪い賞金稼ぎ　って言われ　てんだから」
「世間で どう　言われてるかは　知らんが
おれは おれの信念に　後悔するような事は　何一つ　やっちゃいねェ!　これからもそうだ
だから　海賊にも　ならねェ!!」
「……」
(尾田栄一郎『ONE PIECE』ジャンプコミックス p.1:110)

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物語の序盤も序盤、ロロノア・ゾロという男を仲間に引き入れようとしてた頃ですね。

　主人公ルフィの誘いを拒否するゾロですけど。 そのときに「誰が好んで海賊なんて外道になるか」と答えています。

　ただ残念なことに、ゾロが海賊のことをどんな感じに考えていて、それで「海賊なんて外道」と 呼んでるのかが いまいち良くわかんないんですよね。アウトローなイメージ? 「一般的に悪人とされてるヤツら」なイメージ?? ‥でも 自身が「悪い賞金稼ぎ」と言われてる点に対しては 「世間でどう言われてるかは知らんが、おれはおれの信念に後悔するような事は 何一つやっちゃいねェ!」なんて言ってて、それを見ると「本人の中で正義を貫いてれば、 それが正しい」的な考えを持ってることに間違いなさそうですから、 「海賊が一般的に悪人とされてる」から「外道」、なんてことは考えそうもないですよね。 んー。

　そうなると。ゾロがこれまで知ってる海賊には 人間的にロクなやつは一人もいなかったから、 クソみたいなヤツらだったから、 そういう人間に自分が堕ちていくのは絶対ダメ、といった感じが最も自然な解釈ですかね。 「人間的にヘドが出るようなクソなヤツ」。‥ちょっと具体的なイメージに欠けるのが 残念なところではありますが、手がかりがないので仕方ない。 とりあえず、こんな感じにしておきます。