[かんのんさま::メモ]

かんのんさまは南に西に

[梵文法華経/24:かんのんさまの章] に関する「めも」です。

[前] かんのんさまは西(西方浄土)に

無量寿経

T0360_.12.0273a06: 大士觀世音 整服稽首問
T0360_.12.0273a07: 白佛何縁笑 唯然願説意
(山口桜部森訳(2002)『大乗仏典6浄土三部経』中公文庫. だと p.67)
あちこちからアミダ(阿弥陀、無量覺、無量寿、無量光など)仏の国に、アミダ仏供養のため 集まってきた菩薩たちは、アミダ仏の国の輝きを賛嘆するのですが、 そのときアミダ仏が突然微笑みます。 それに対し「大士觀世音 整服稽首問(観世音さまが、 服を整え ひれ伏して質問します)」と、ここで 観音様の名前がいきなり出てきて、アミダ仏に 思い出し笑いの理由を尋ねてます。それ以外だと、 0273b21 のあたり(山口桜部森訳(2002) p.72)。 世尊がアーナンダに「アミダ国の菩薩たちは光り輝いている。 とくにこの二人はスゴい」として紹介される二人(観世音と大勢至)の 一人目として紹介されてます。「これら二菩薩は、 この(娑婆)世界で菩薩行をおこない、死後にその(アミダの)世界に生まれたのだ」と いう説明つきです。「無量寿経」ではこの二人とアミダ仏との関係について 直接は語られていませんが、西方極楽浄土においてアミダ仏の脇侍という 設定である可能性は非常に高いと思われます[*1]


*註1
めも。往生要集には「問。十方有淨土。何唯願生極樂耶」[SAT](大雑把訳: 問う。 浄土は十方にあるのに、往生したいのは西方極楽浄土だけなのは何故?) という 記述があります。これについては天台大師の説明[SAT]、また法華経薬王品[*]などでは西方極楽浄土だけが勧められている、などの理由が 語られています。
[次] 観無量寿経