外道 in 世界宗教大事典
たまたま手の届く場所に「世界宗教大事典」,平凡社,1991.
というのがあったので引用してみる。「外道」の項。
仏教においては、仏教以外の宗教や思想をすべて外道、外教あるいは
外法などと呼んでいる。サンスクリットの原語は (anya-)tīrthaka
であって、(その宗教より)以外の宗教およびその信者、すなわち異教、
異教徒を意味している。外道に対して、仏教はみずからを内道、内教、
内法などと言う。しかし、仏典中に用いられた外道の意味は必ずしも
前述のように広くはなく、主として、古代インドにおけるものを指し
ており、六師外道、九十五種外道などすべてインドの外道である。
中国の儒教や道教、日本の神道などは普通外道とは言わない。
外道が仏教側から見て正しくない教えを意味したところから、この
言葉はひろく、屁理屈家や邪説を述べる者という蔑称となり、
また人をののしる語ともなった。また日本では、災難をもたらす厄神を
指して悪魔外道と言い、それら厄神の姿形や邪悪の相の仮面をも
外道と呼んでいる。