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根本有部律によると、外道の出家は禁止されていた。 該当部分に、いーかげんな訳をつけて紹介しよう。 (該当部分: Mithila p.99-100; デルゲ 119b1-120a7; 漢訳 p.23:1038bc [SAT])
さて。外道どものポーシャダは14日で、ビクたちは15日でした。
そこで彼は14日には外道どものところで、15日にはビクたちのところで
ポーシャダを受けていました。でもある時、黒月のためにビクたちの
ポーシャダが14日目に行われることになってしまいました。
彼は迷ってしまいました。「うーん。あっちに行こうか、それとも、
こっちのポーシャダを受けようか」 . . . ここで彼にヒラメキが。
「こやつら仏教系の出家者たちは穏やかで安楽に
暮らしている。でも我が梵行なセクトはハードな戒律で苦しんでる。
もし(あちらに)行かないで ここにいることがバレたら、chalākā を
投げつけられたり、phalaka をねじ曲げられたり、khora を曲げられて
しまうにちがいない (@_@;
‥うーん。梵行なセクトのほうに
行くしかない」かくて彼は外道どものほうに行ってしまいました。
(ここは訳が非常に怪しいブロック^^;)
かくて「守寺者」が bṛddhaanta になって
ビクたちがいるかを確認したときに、彼の姿はありませんでした。
「その名前のビクは来るのか? 現われるのか?(?)」
「とにかく、いないんです」
世尊は仰せです。「四方を見回してからポーシャダをすべし」
ビクたちは四方を見回してからポーシャダをおこないました。
そして翌日。そのビクがやって来るのが目撃されましたので、 ビクたちは彼に尋ねました。「どこ行ってたんだよ?!」 彼は言いました。「梵行者たちのところに行ってたんだよ」 「君が言う『梵行者』って何?」「外道のことさ。僕は君たちの ところで飲食物を受けて、彼らのところで指導(ダルマ)を受けてる、 ってワケさ」
この言葉をビクたちは世尊に伝えました。世尊は仰せです。
「外道者はプドガラ (-_-#
ビクでも意図せず外道者になったらプドガラ。(??)
外道者は、我々の法と律に沿って育っていかないのでプドガラにするのだ。
誰かが出家したいと言ってきたら『君は外道者じゃないよね?』と
聞くべし。聞かないで出家させたらサーティサーラだ」
ウパーリが世尊に尋ねました。「世尊は、外道者はプドガラで
ナーシャナに値すると仰せですが、どーいう状態だと外道者で
プドガラでナーシャナに値するものとすればよいのでしょう?」
「見た目が外道なもの。その見解を持ってるもの。
そっちで朝を迎えたもの(??)。
こーいう感じなら外道者でプドガラでナーシャナに値するものだ」
なぜ外道は出家させてもらえないか? 上の文では「外道者は、 我々の法と律に沿って育っていかないのでプドガラにするのだ」 と訳してます。念のため原文を載せておくと、こんな感じ:
いずれにせよ、「外道」に対する敵対感情・反感はあるかもしれませんけど、 侮辱、まして差別的な感情を持っているとはいえませんね。
[ Last Updated: 1998; 2012 ちょっと手入れ ]
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