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現代日本における外道ども

現代日本における「外道」の用例で、気付いたものを集めてみました。

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Novel::幻魔大戦(1979)

平井和正(1997)『幻魔大戦(1) 幻魔宇宙』アスペクト(東京).
この本で見つけた「外道」です。 この書籍は 1979年から『野性時代』に連載され、その後 角川文庫から出版された 『幻魔大戦』の再販と思われますので、たぶん元は1979年の用例ということに なりそうです。また『幻魔大戦』のマンガ版が1967年に出版されていますが、 実はそれに同じ用例があるのか? という点については、現在のところ 未確認です。

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用例

「おれはてめえみたいな役立たずの外道野郎じゃねえ。てめえなんぞの手を借りる気はねえが、 てめえがもしおのれの仕事も満足にできなきゃ、こっちが割を食う ‥(略)‥ さもねえと、おれはてめえを殺す。"幻魔"の軍律にはまかしておかねえつもりだ。 この手でてめえを殺して封印するから。覚悟しておきやがれ! (p.219)

 これ、"幻魔"であるところの「ザメディ」が、 同じく"幻魔"であるところの「ザンビ」に言った台詞です。 「幻魔って何だよ?」という場合は、 いちおう別のページに私なりの理解を書きましたので、詳しくは そちらを参考していただくとして。 とりあえず簡単に言ってしまうと、地球侵略を企む悪者どもです。

 悪者ですから、凶悪で残忍で敵意と憎悪のかたまり、おぞましい姿‥といった感じのようです。 んで、これを言ってるザメディ(強大)と、言われてるザンビ(弱小)の間には かなりの力量差が あるようで、ザンビは頭ごなしに罵倒されても反撃することもできず、 ただじっとそれを聞いてることしかできない、そんな関係みたいです。 そんな中で出たこの「外道」。

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幻魔が「外道」言うか‥

 この発言からは、とっておきの敵意と憎悪が溢れてることはわかります。 もしザンビが失敗したら軍律を待たずにオレがお前を殺してやる、と言ってるわけですから、 相当の敵意ですよね。つまりここでの外道とは、単純に罵倒‥。だって 「この人でなしが!」的な侮辱というかそういう類の感情は、 たぶん幻魔が幻魔には持たないのでは? という気がしますからね。 なので、ここではたぶん純粋な「とっておきの罵倒」といして使っているのではないかと。

 ただ「役立たずの外道野郎」の「役立たず」のところも気になるんですよね。 「役立たず」が「外道」観念の構成要素である可能性、たぶん「ない」と考えてるんですけど。 つまり「クソ野郎のお前は、そのうえ役立たずだ」と言ってるだけじゃね? と 考えてる訳です。しかし実のところこの例は 「おまえは役立たずだから、だから外道だコノヤロウ」と言ってる可能性もあるんじゃないか、 そういう可能性があることも否定できないよな‥、と。 そのへんについては、とりあえず「そういう可能性もあるかもね」という 程度にしておかせてください。

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