[前] 餓鬼とは(1)六道の一つ |
そんな感じで餓鬼とは「六道」、つまり 「人(を含む生物)が生まれ変わる(いわゆる輪廻転生する)可能性のある6つ(5つ)の状態」の 一つである訳なんですけど。この「状態」というのが正直 何なのか よく理解しかねる感じではあるんですけど。 「生き方」とかいう感じなんですかね。 いわゆる一種の化物というか怪物というか、そういう感じの 人間というか生物的な存在として描かれることが多いですよね。餓鬼って。
ということで。日本における一般的な「餓鬼」のイメージといえば、 『救拔焔口餓鬼陀羅尼經』や『佛説盂蘭盆經』、あるいは 『餓鬼草紙』で描かれるような感じ、すなわち
でも実は、日本に「六道」を広めた、つまり「餓鬼」概念を広めた 契機となった『往生要集』によると、そんな感じでは描写されてないんですよね。
--- 日本における一般的な「餓鬼」イメージと 比べると「身体の中の火」は一致しますけど、 それ以外はなんか いまいちピンと来ないですよね。 いや、「手足は釜の脚のよう」というのは「手足が異様に細い」と 結びついては いるのか‥。
[Table of Contents]ということで。日本における「餓鬼」の一般的なイメージって、たぶん 『救拔焔口餓鬼陀羅尼經』や『佛説盂蘭盆經』の影響が ものすごく大きいんだろうなー、という気がしています。逆に言うと、 このイメージを仏教の発祥の地であるインドまで遡っていくのは ちょっと‥いや、かなり難しいだろうなー、という気がします。
ちなみに日本における「鬼」== バケモノ的なイメージである、という点については、 かの本居宣長公も『古事記伝』の「預母都志許賣(ヨモツシコメ)」の解釈のところで以下:
‥このように書いておられます。つまり日本ではよく 鬼==バケモノ(怪物) という 意味で使われてきた、ということですよね。このこと、 どこに書けばいいのかわからなかったので、とりあえずここで紹介しておきます。
[次] インドでは餓鬼=亡者(死者) |