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ただ『起世経』には「函量地獄」[SAT]というのが書かれていて、これはどういう地獄かというと 「鉄函を持たされる。鉄函がモーレツに熱くなり手足から全身が燃える」という感じみたいです。
函量地獄に堕ちる理由が‥どこに書いてあるんだろ? 「悪不善を行なう者あれば」しか 見つけられませんでした。ちなみに宮次男1999には「計量を不正にして人々を苦しめた者が堕ちる函量地獄」 (澁澤・宮(1999)『図説・地獄絵をよむ』河出書房新社(ふくろうの本), p.91; 『地獄草紙』(奈良国立博物館蔵)中の 函量地獄の絵つきのページです)とありますので、それに従っておきます。
妙応の例の場合、鉄函でアチチ‥という状況でもないですし、いわゆる「地獄の世界」に行って 罪業の清算させられるのではなく、われわれの現実世界にて夜な夜な悲惨な目に遭い続けるわけですから、 函量地獄とは明らかに別系統ですよね。そもそも妙応の計量不正疑惑が後付けのようですから‥。
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