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概説カーマスートラ

たぶん1995年頃に、ちょっと書きかけて止めてしまった「概説カーマスートラ」なる文書。 それを、ハードディスクを整理してたら発掘しました。せっかくなので中身にはほとんど手をつけず、 タグなどをちょっと調整した程度で公開してみます。 (なので「準備中」となっていても、今後の作業再開は、たぶん ないです‥)

別途「カーマスートラ」というページもありますので、 もっと詳しく見てみたい‥という方はそちらをどうぞ。


[前] 3-1少女親近篇/少女の選択と親族の決定

3-2少女親近篇/少女の信頼を得ること

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少女の信頼を得る

さて結婚の終わった男子は 3 日のあいだ

  • 布団を使わず露地に寝ること
  • 性交をしないこと
  • 塩分と糖分をとらぬこと
という禁戒を守りつつ、新たにできた親族を歓待しなければならない、とある。 またこの時期は、男は少女に嫌われないように、少女に対して愛想よく振る舞って おく必要もある。ただ上にあげた禁戒のとおり、性交をしてはいけないし、 女性は花のようなものであるということを心得て扱うべきで、なに かを強制するような態度に出てもいけない。 こうして少女の信頼をかち得て いくのである。以下、この 3 日のあいだにすべきことを述べていく。

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抱擁

何はともあれ少女の信頼をかち得つつ、自然にコトを先にすすめていくことが 必要になってくる。そこで、まず軽い抱擁から始める。 上体の部分なら、接触しても女はあまり抵抗しない。 また、すでに昵懇な女とか十分に成長した女なら灯下の下で、 そうでない時は暗い部屋でおこなうのがよい。

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くちづけ

キンマの葉1を口に入れ、これを口移しで相手に受け取らせる。 ... これはちょっと不自然なような気もするけど (^_^; ... ここでもし拒否されたときは、哀願 し、場合によっては足下にひれ伏してでも受け取ってもらうようにする。ま あ女というものは、 一般に、情人が足下にひれ伏したらイヤとは言えないものだから、 それを利用しようということ。(これは作者の意見です。念のため) こうして、おだやかなうちに接吻まで進んだことになる。

  1. 原典では「ターンブーラ」(taambuula)。Apte によると (1) The areca-nut. (2) The leaf of piper-betel, which together with the areca-nut, catechu, chunam, and spices is usually chewed after meals. とある。泉訳では「ベテル」。
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言葉をかわして親睦をふかめる

何か適当に話しかける。相手が自分の話を聞いてるな、と思ったら、 簡単に答えられるような質問を出し、相手に答えさせる。 ふつう少女は情人の言葉には耳を貸すが、それに対してほとんど何も 話さず、ただ首を動かすだけである。ただし、 男が「おこってるの」と尋ねたとき、少女がいかなる反応も示さない ときは、不愉快の意志を示しているので、注意する。1 こうして仲を深めていっても、まだ女はほとんど口をきかないであろう。

  1. 原典には、さらに「『ぼくのこと、好き?』とか聞くと相手は黙ってしまうが、 ムリに答えさせると、ただうなづくだけであり、それ以上のことを 言わせようとしても、決して答えないものである」と続いている。 なるほどねー (^_^) また、原典は以下のように続いている。「も し新婚夫婦がすでに昵懇の間柄ならば、あいだに共通の友人(ただし女) をはさんで話をすることもできる。ここで友人が『あんなこと言っ てたじゃない』といってウソを言いだしたとき、女は『ぜんぜんちがうよ』 という感じで友人を押し退けるが、『じゃあ、どうちがうかハッキリ 言ってよ』と言われると黙ってしまい、さらに詰め寄られると、ボソボソと 『そんなこと言ってないよ』と答え、男に色目を送るであろう。 新婚夫婦とはこのようなものである、と言われている」と。 こういった観察・描写がカーマスートラを「文学をする者にとって必要」 なものにした所以と言っていいと思います。
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さらなる接触

アーッチュリタカ1の作法で、女の乳房に触れる。 もし女が拒否したら「もしキミが、ボクがするみたいに、ボクを抱きしめて くれるんなら、もうこんなことはしない」と言って抱きしめる。 こうして男は女のヘソのあたりに手をまわして、すこしずつ自分のヒザの 上に女をすわらせる。もし女が拒否したら威嚇して従わせる。 どう威嚇するかというと「もし言うことをきかないんだったら、 歯でキミの唇と乳房に傷をつけてやる。オレの身体にも同じ傷をつけて、 キミの友達の前で、これはキミがやったんだと言いふらしてやる。 それでもいいのか?」とする。 男は、このような小児に対するような方法で女の心をつかむだろう。 (ホンマかいな.. (^_^;)

  1. 「浅い触れ傷」のことで 8 種ある「爪の掻傷」のひとつ。「指を 合わせて、くすぐられる部分(頬、乳房、唇など)を弄(もてあそ)んで作る。 軽く触れるだけなので傷はつかない。この動作は、相手の全身をビクッ とさせることが目的である」(KS.2-4-12).
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愛撫

このようにして、男女の昵懇の度合いを深めたところで、いよいよ核心に近 づいていく。 まず男は女の身体じゅうに接吻し、女の腿に手をまわす。ここでもし女が いやがったら「だいじょうぶ」と言って、相手を困らせながら、先にすすむ。 ここまできたら女の性器に触れ、衣服を脱がせる。 ... と、ここまで語ってきたことを 3 日のあいだにおこない、4 日目に はじめて童貞の制約を破って1義務を遂行する。

  1. つまり 3 日のあいだは、相手に手をつけてはならないだけでなく、 男のほうもガマンせねばならない、ということだ。
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この事項に関連した詩

男は少女の嗜好に従って巧みな方法でその心を得るであらう。 されば女は男を信頼し固く彼を愛するであらう。(39)

男はあまりに少女に眤れしめ、その希望を容れ過ぎても宜しくない。 中道を行つて少女の心を得るに成功するであらう。(40)

婦女の心を得る術(女に対する愛と尊敬を取扱ふ方法)に通曉せるものは 婦女の間に愛せられるであらう。(41)

女をあまりに羞かしがるものと考へて等閑に付するものは女の感情を理解し 能はずして獣の如しと蔑まれるであらう。(42)

女の感情を知らざる情人に荒々しく取扱はれた少女は、恐怖、戦慄、心配の ために男を憎むであらう。(43)

女は何等愛の取扱を受けぬため、男を怖れて彼を憎み、延いて一般の男を憎み、 若くはかくて夫に嫌はれて他の男を求めるに至る。(43)

「新婚のプロセス」の話はここまで。 次の章では、理由あって、なかなか一人前と認められない男子が、 どのように少女の心を射止めるか、について述べている。

[次] 3-3少女親近篇/幼時より少女の心を得ること