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概説カーマスートラ

たぶん1995年頃に、ちょっと書きかけて止めてしまった「概説カーマスートラ」なる文書。 それを、ハードディスクを整理してたら発掘しました。せっかくなので中身にはほとんど手をつけず、 タグなどをちょっと調整した程度で公開してみます。 (なので「準備中」となっていても、今後の作業再開は、たぶん ないです‥)

別途「カーマスートラ」というページもありますので、 もっと詳しく見てみたい‥という方はそちらをどうぞ。


[前] 3-2少女親近篇/少女の信頼を得ること

3-3少女親近篇/幼時より少女の心を得ること

[Table of Contents]

少女の心を得るための準備

技能はあるが貧しい、教養はあるけど身分が低い、などの理由により、 正当な方法では結婚できない男は、女が幼児のうちに接近して、その愛を 得るのがよい。

 具体的には、少女と一緒に花を集めて花環を編んだり、お人形あそびをしたり、 親近の程度・相手の年齢などに合った遊びをしてやる1

もし少女が信頼を寄せている女(たとえば乳母など)がいるときは、 その女に贈物をするなどして、取り入っておく。なぜなら、こういう類の女は、 他人の恋路の手助けになることはあっても、 それを邪魔することはないからだ。また、そういった女が何につけて男を褒める ことによって、少女は自然と男を愛するようになっていくであろう。

  1. 原典では、いろいろな遊戯の種類を列挙しているが、ここでは流す。
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少女の心を奪う

男は少女が欲しがっているものが何かを知って、それを与えるようにする。 また珍しいオモチャなども効果的である。要するに、少女が「この人は、 自分が欲しいものはすべて持ってきてくれる」と思うようにするのである。

 少女に会う機会を増やすため、相手が欲しがっているものを、密かに プレゼントするようにする。このとき「このことは誰にも言っちゃダメだよ。 他の人が『くれくれ』と言うとこまるから」と話すようにする。

 少女が男に心を寄せるようになり、男の話に耳を傾けるようになったら、 おもしろい話で喜ばせてやる。もし少女が手品を見たがったら手品をしてみせ、 音楽を聞きたがったら耳に心地よい歌を歌ってやる。

 男は、少女の乳母を相手に性愛に関する 64 の技を教え、他の男より、 そういった技能に堪能であることを1間接的に少女に示す。 また男は見苦しくないよう身なりに気をつけ、少女の身振りなどから 相手の感情を察知し対応しなければならない。なぜなら、 少女はしばしば出会う男に心を寄せるが、みずから自分の心を表に出すことは しないからである。

  1. 原文を見ると「他の男との差別を認識させるため、男との経験をもつ 乳姉妹(foster-sister)に 64 のヨーガを理解させる(19)」と書いている。 ここで問題となるのは、この「ヨーガ」が何を意味しているか であるが、同じ KS の 2.9.54 に「この性愛の学 64 芸を知るものは..」 とある(泉訳)ので、たぶんこれを指すのだろう。
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女の感情と姿態の関係について

  • 男に対して顔を向けない。もし顔を見られるとはずかしがる。
  • 自分自身が見らていないときは男を凝視する。
  • 何か尋ねられると、顔をそむけ、遅々として不明瞭で辻妻の合わぬ答をする。
  • 男の注意を惹くため、侍女などに対し表情をつくって話す。
  • .. などなど ..

「幼女のうちから手をうっておく」ことに関する話はここまで。 次の章では、 boy meets a girl な状況すなわち「恋に落ちちゃった」とき 少女とどのように接近していくか、 について述べている。

[次] 3-4少女親近篇/媒介者なくして男女が相接近すること等