成都府大聖慈寺沙門 蔵川述『仏説閻羅王授記四衆逆修生七往生浄土経』
(十王生七経、預修十王経)の大雑把訳です。
底本は [CBETA] の
電子テキストです。
本経と関係が深いと思われる [ 仏説地蔵菩薩発心因縁十王経(地蔵十王経)の大雑把訳はこちら ]
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そのとき閻羅天子は韻文によって仏に申し上げます。 「南無阿羅訶 この世のものには 苦が多し 輪廻は相なく 水波のよう」
閻羅王 仏に偈文で 申し上げ 人の罪ゆえ 苦をあわれんで「智慧の風 法輪河へ 吹き飛ばせ 世を照らす光 隅々まで照らせ
六道の 輪廻の形 常ならむ 生死くりかえし 水波のよう
願わくば 智慧の風よ 吹きたまえ 法海に吹きこみ 蒙昧洗う「凡夫ども 邪宗でまちがい 善わずか 持経写経で 地獄を免がる
世を護る 四人の王にも お願いだ 経典伝えて 広く流布せよ
凡人は 悪業多く 善かすか 邪見を信じ 阿鼻に入るか「この経を 唱えた人の名 記録さる 咎消したくば 神霊殺すな
富と楽 長い生命 望むなら 経文書写せよ 聴き受持すべし
苦にむかう 三塗の業は 成りやすい 祭神殺せば その縁ゆえに「平等心 衆生が持つのは 無理だから 福徳わずかで 罪つみあげる
金剛の 真実智慧の 剣をもち 魔を切り除け 無生を悟れ
罪悪は 山のごとくに 膨大で 福徳わずかで 塵に等しい「持経者は 寿命尽きるとき 果報あり 天王お迎え 菩薩もお迎え
だがつねに 善神たちの 守護をうけ 富豪の家に 生まれ変わるかも
もし人が 仏経つくり 受持すれば 今際の際に 菩薩お迎え
浄土にて 修行を積んだ その先に 正覚に至り 金剛城入り
そのとき仏が阿難に仰せです。「一切龍神八部、諸大臣、閻羅天子、 大山府君、司命司録、五道大神、地獄官たち、行道天王よ。慈悲を持つべし。 法を侮るべからず。罪人どもを皆、受け入れよ。 また慈悲ある孝行息子・娘は斎をおこない福徳をなし、亡者を助け出すべし。 産み育ての恩に報い、七七回の斎をおこない仏像つくり、父母に報い、 生天さすべし」と。
仏さま 閻羅王らに 告げられた 人の罪業 言いきれぬほど
恩返し 行なうために 福を積め 苦しみはなれ 迷いを抜け出せ
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