シャンカラ様は8世紀頃の方です。 固有名詞など、かなりいーかげんに表記していますが、すこしずつ訂正していく予定です。 ‥と、1996年に書いてましたが、なんか一度も訂正せず放置してます (^_^;
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シャンカラは、小さい頃から一般社会での生活を捨てて、 出家することを望んでいました。 しかし出家するにはお母さんの許可が必要でした。 しかし彼のお母さんは、 彼なしで生活するなんて想像することすらできないことでしたので、 もし出家を許してしまうと、 自分の子供はさまよい歩く出家者としてどこかに行ってしまうのではないかと 恐れました。
果たして彼女はシャンカラなしで、どうやって生きていくというのでしょう? しかしシャンカラは出家する運命にあるのです。
ある日、ひとつの事件がおこりました。 その日もシャンカラは母子で川に行水に出かけていました。 そして二人で川で行水していたとき、 ワニがあらわれてシャンカラの足に噛みついたのです。 このままでは、彼は川の中に引きこまれて喰い殺されてしまうでしょう。 このときシャンカラは叫びました。
「母上、私は参ります。ワニは私を引きずりこもうとしています。 せめて、今、私が出家することをお許しください。 さすればワニは私を放すでしょう」アーリヤーンバーはどうしたらよいのかわかりませんでした。 彼女は、もしシャンカラが、たとえ出家したとしても、生きてさえいれば、 また会うことができるが、死んでしまったらそれさえも無理だと思いました。 それでお母さんはシャンカラが出家することを許可しました。 そこでシャンカラは定められたマントラを唱え、 出家する旨の誓願をしました。 その瞬間、ワニはシャンカラから離れて、 水の中に姿を消してしまいました。 このワニは実はブラフマンに呪文をかけられたガンダルヴァであったと 言われています。このガンダルヴァはもとの姿にもどり、 シャンカラを賞賛する歌を歌いながら、自分の世界に帰っていきました。
シャンカラは泳いで岸に戻ってきました。 お母さんはとても喜びました。 しかしシャンカラは家には戻りませんでした。 そのかわりシャンカラは お母さんの死の間際にかならず家に戻ってくること、そして 出家していない息子がするように彼女の葬送の儀式をおこなうこと、 を約束しました。
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