シャンカラ様は8世紀頃の方です。 固有名詞など、かなりいーかげんに表記していますが、すこしずつ訂正していく予定です。 ‥と、1996年に書いてましたが、なんか一度も訂正せず放置してます (^_^;
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あるとき、シャンカラはヴィシュヴァナータの神様の神殿から、 行水のため、お弟子をつれてガンジス川のふもとへ戻ろうとしていました。 彼らが歩いていると、シャンカラの前に、 犬を四匹つれたチャンダーラ(いやしい身分とされていた人)が 立ちふさがりました。シャンカラは彼に道をあけるようにお願いしました。 するとそのチャンダーラは笑ってこう言ったのです。
「おまえは『道をあけろ』と言ったが、何に向かって言ったのか。 おれの魂にか?だが、おまえの魂も、おれの魂も、 いや世界じゅうにあるすべての魂はすべて同じひとつのものであるはずだ。 本来『魂』には不純なところはない。しかしガンジス川・あるいは瓶のなかの水 などの水面に映った月を本物と見まちがってしまうのと同じように、 ふつう人は本来の『魂』でないものを魂だと思ってしまっている。 つまり反射された影(すなわち個人の魂と思われているもの)が汚れているように 見えても、月そのもの(本当の魂)は汚れをよせつけないものなのだ。 このような『魂』を動かすことなどできない。
あるいは、おまえは俺の身体に対して『道をあけろ』と言ったのか? だが魂がなければ身体は動くことができない。 だから身体だけを動かせというのはできぬ相談だ。
出家の者にとって、身分とは、清浄とは、不純とは、いったい何なのだ?」
チャンダーラの、この突然の問いはシャンカラを打ちのめしました。 彼はチャンダーラの足元にひれ伏して、その崇高な真実についての教えを 授けていただけるよう、お願いしました。 するとチャンダーラの姿は消えてなくなり、かわりにヴィシュヴァナータの 神様のお姿がそこにあらわれました。 神様はチャンダーラの姿をおとりになって、シャンカラに、 バラモンだの、チャンダーラだの、といった区別が無意味であることを お示しになられたのでした。 神様はシャンカラに祝福をお授けになって、お姿を消されました。
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