シャンカラ様は8世紀頃の方です。 固有名詞など、かなりいーかげんに表記していますが、すこしずつ訂正していく予定です。 ‥と、1996年に書いてましたが、なんか一度も訂正せず放置してます (^_^;
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シャンカラのもとに、ひとりの年とったバラモンが訪ねてきました。 シャンカラはブラフマスートラという書物に対する註釈を作成していたのですが、 その老バラモンは、シャンカラに、ブラフマスートラについての論争を 挑んできたのです。 当時、学者が、ある書物に関して論争するのはよくあることでした。 議論はなかなか決着がつかず、どんどん白熱していきますが、 どちらも、なかなか相手を言い負かすことができません。 この問答を熱心に聞き入っていたシャンカラの弟子のパドマパーダは、 途中で、この老人が、ブラフマスートラの作者であるヴェーダヴヤーサが、 老人の姿をして立ち現れたものに他ならないことに気付きました。 彼は急いで両者の足元にひれ伏して論争に割って入り、こう言いました。
「シャンカラ様はシヴァの神様の生まれかわり、 ヴヤーサ様は聖ナーラーヤナ(ヴィシュヌ神の別名)そのひと、でございます。 かようなお二方が論争をおこなわれてしまったのでは、 私などのような者は途方にくれてしまいます。どうか、おやめください」
この老人がヴヤーサそのひとであることを聞いたシャンカラは、 すぐに論争をやめて、老人に、うやうやしく、ひれ伏しました。 ヴヤーサはシャンカラに祝福を与えられ、こう仰せになりました。
「おぬしは十六年しか生きられぬ定めになっておる。 だが、さらに寿命を十六年増やし、 ヴェーダのことばを国じゅうに広めることができるよう、 神様にお願いしてみよう」ヴヤーサはブラフマンの神様にお祈りを捧げ、 シャンカラに、もう十六年の寿命を授けてくださるよう、お願いしました。
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