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よいこのための シャンカラさま ものがたり

シャンカラ様は8世紀頃の方です。
 固有名詞など、かなりいーかげんに表記していますが、すこしずつ訂正していく予定です。 ‥と、1996年に書いてましたが、なんか一度も訂正せず放置してます(^_^;

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クマーリラ と マンダナ との であい

シャンカラ様は、そののち、あちこちの場所に赴かれ、 アドヴァイタのおしえを国じゅうに広められました。 シャンカラ様が最初に訪れたのはプラヤーガの町でした。 そこにはクマーリラ・バッタという大学者が住んでおられます。 その方はヴェーダ聖典に精通しておられ、ヴェーダの祭式に関する知識では 右に出る人はいないほどの方でした。 クマーリラ・バッタは仏教の哲学を教わりたいと思い、 仏教の出家者に変装し、仏教の寺院に潜入しました。 そこでクマーリラが仏教の哲学を教わっていると、 ある仏教徒がヴェーダ聖典の悪口を言いはじめました。 それを聞いたクマーリラはジッとしていることができず、 ついにヴェーダ聖典を擁護する発言をしてしまいました。 そのため、クマーリラの正体がバレてしまいました。 仏教徒どもはクマーリラを生きて帰すのはよくないと考え、 クマーリラを僧院の建物のいちばん上の階まで連れていき、 そこから彼を突き落としたのです。 クマーリラは、この瞬間、祈りのことばを捧げました。

「もしヴェーダ聖典は真実で不滅だというのなら、 その真実の力によって私は助かるはずだ」

すると奇跡がおこりました。クマーリラは助かったのです。 しかし彼の片目はつぶれてしまいました。 なぜならクマーリラは本当は「ヴェーダ聖典は真実で不滅なのだから」と 言うべきだったのを、躊躇して 「もしヴェーダ聖典は真実で不滅だというのなら」と言ってしまったため、 神様の罰がくだってしまったのです。

そののちクマーリラは説法の仕事を再開しました。 彼は、ヴェーダ聖典の中で命ぜられているヴェーダの祭式だけが真実であり、 その祭式を行なうことが解脱に至るための方法である、と説きました。 それに対し、シャンカラ様は、 真実を見分けるための知識、および、暝想が解脱のための手段であること、を 説かれていました。ですからシャンカラ様は、クマーリラの教えについて クマーリラと論争して、彼に間違いを気付かせるために彼の ところまでやって来たのでした。 しかしシャンカラ様がクマーリラの前に現れたとき、すでに彼は 瀕死の状態でした。 彼は、自分の身体が slow fire によって使い尽くされていくのを、 ヴェーダ聖典が真実であることを自分が疑ったことに対する償いとして、 受け入れている状態でした。(slow fire て何?) クマーリラ・バッタは、マンダナ・ミシュラというヴェーダ聖典に関する大学者が ナルマダー川の流域にあるマヒシュマティの都市にいるので、 彼と論争するとよい、とシャンカラ様に伝えました。 そこでシャンカラ様はクマーリラ・バッタの住居を後にし、 マヒシュマティへと向かいました。

シャンカラ様と弟子たちは、ナルマダー川の岸に到着しました。 ナルマダー川での行水をすませてから、 一行はマンダナの住み家を探しまわりました。そのとき 水の入った壷をもって川から戻ってきた数人の女の人たちを見かけました。 シャンカラ様は彼女たちに尋ねます。すると彼女たちはこう答えました。

「すぐ近くに、門のところに鳥篭があって、その中に入れられた沢山のオウムが、 ヴェーダについて議論している家があります。そこがマンダナの家です」
シャンカラ様はその家を見つけました。 しかしその家のドアは閉じられていました。 まるでシュラッダーの日か、あるいは マンダナのお父様のための毎年の儀式をとりおこなっている日でも あるかのようです。 そこでシャンカラ様は、ヨーガの力をつかって、家の中に入りました。 マンダナは出家した方たちをとても嫌っていました。 出家した方にとっては シュラッダーの儀式のような重要な儀式に立ち入っただけのことなのに、 マンダナにとってそれは信じがたいことでした。 そのため、出家した方と在家の者とのあいだの口論になってしまいました。 その結果、座りこんでの議論をすることになってしまいました。 しかしこの議論の裁定をする人がいません。 そこで、マンダナの奥方のウバヤバラティは立派な学者でしたので、 シャンカラとマンダナは彼女が裁定の役目をつとめることに合意しました。 奥方はふたりの首に花環をかけて、こう言いました。
「論争が終わったときに、この花環が枯れそうになっていた方が負けにします」
論争は何日も続きました。ある日、ついにマンダナの首にかかった花が しぼみはじめました。 ウバヤバラティは、ためらうことなく、自分の亭主の負けを宣言しました。 この後すぐに、マンダナは出家してシャンカラ様の弟子になることを決心しました。 シャンカラ様は彼の入門式をおこなわれ、さらに彼の名前を スレーシヴァラーチャーリヤとなさいました。

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