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何度も取り上げてますが 『仏説盂蘭盆経』は、目連が餓鬼となった母親を救う物語となっています。 この経典に関する最大の問題のひとつが「盂蘭盆」という言葉で、この言葉について 唐の玄応は「烏藍婆拏(うらんばな)」であり、その意味は「倒懸」、つまり 「頭を下にして ぶら下がっている」状態だと説明しています。 つまり、それに匹敵するような苦しみを目連母、ひいては我々の祖先は受けている、と。 この解釈の是非については 盂蘭盆経について:: 語源「うらんばな」説 [URL] を見ていただくとして。 この解釈について岩本1979は以下のように述べています:
餓鬼と地獄の混同は一体いつ頃から? ‥ 詳しいことはわかりませんが、いわゆる 「敦煌文献」の ひとつ「地藏菩薩十齋日」(大正2850)中に すでに「餓鬼地獄」と書かれた文があることは確かなようです:
敦煌文献は11世紀前半くらい、北宋期のようですから、その頃までには中国で「餓鬼地獄」は 考えられていたみたいですね。しかもこの文献を見ると「餓鬼地獄」は 「寒冰地獄」「劍樹地獄」「鐵鋸地獄」などの、「いかにも」な感じの地獄と列挙されてますから、 いろいろある地獄世界の一部になってたと考えて間違いないです。
でもこんな感じで列挙されると、やっぱ「んー、餓鬼地獄ってやっぱ、餓える地獄かなー」なんて 思ってしまいそうになりそうですよね普通。
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