部屋を片付けていたら出てきました。せっかくなのでここに。 (以下全部資料編です。)
[Table of Contents]秋田が北嵯峨(京都)をサヨナラで倒し、 東北勢は夏の甲子園大会で史上最高の初戦4 勝(2敗)と、歴史に新たな一ページを刻み 込んだ。秋田は北嵯峨と追いつ追われつの大 熱戦を展開、同点の9回裏、遊撃手の敵失で 鮮やかなサヨナラ劇。ウワサの快腕・細見を 攻略し、投げてはエース菅原朗が粘投、26年 ぶりの甲子園勝利と錦(きん)上花を添え た。宮城の東北は西条農(広島)に善戦しな がら、エース羽根川が打たれて痛恨のサヨナ ラ負け、秋田と明暗を分けた。
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北嵯峨 3 0 0 0 0 0 2 0 0 1 秋 田 4 0 0 0 0 2 0 1 0 1X
サヨナラのホームを佐藤幸 彦(3年)が踏んだその瞬 間、エース菅原朗仁(3年) はベンチ前でこぶしを握り締 め、晴れ渡った甲子園の空に 向け大きくガッツポーズ。ナ インとともに、サヨナラ打を 打った小玉義幸(2年)に 「よっしゃ!」と、大 声を上げながら猛突進した。
「楽しめたっスよ」。北嵯 峨打線を3点に抑え、秋田に 1965年(昭40)以来26年 ぶりの勝利をもたらした菅原 朗は、蒸し暑いベンチ裏で滴 る汗をぬぐおうともせず一気 に喜びを爆発させた。相手打 線に8安打は浴びたものの、 高低とベースの幅をいっぱい に使った丁寧な投球。「3点 以内に抑えたい」。試合前に 予告した通りに抑えてみせ た。7回まではカーブ中心、 8、9回は右打者の懐を突く シュートでチーム打率3割2 分2厘の激戦区・京都を制し た北嵯峨にマトを絞らせなか った。菅原朗は初の甲子園の マウンドを、「前にも投げた ことがあるような感じでし た」と実にあっさりと語 る。高校球児 のだれもが感じる特有の緊張 は、無縁だったようだ。
4回まではヒット3本に抑え 5回には3者連続三振に切っ て取る。「こんなんでいいの かな」。ふだん通りの配球と 気持ちで、北嵯峨を完全にの んでかかった。
ずぶとい神経を生かすのは 投球だけではない。進学率99 %を誇る秋田は、野球部3年 生全員が大学への進学を希望 している。そのため甲子園入 りしてからも、毎朝2時間、 自主学習の時間を設け受験に 備える。だが、なんと菅原朗 だけは自身の勉強道具を一切 持ってきていない。本人は、 「飛行機の中で忘れたことに 気が付いた」とおどけてみせ るが……。ほかの部員の参考 書を借りて毎朝2時間の勉強 を終える。「受験なんてまだ 先のこと」と、実に平然とし たもの。この強心臓が強気な 投球に生かされている。試合 後、小野巧監督は「この暑い 中よく投げた。菅原朗に尽き る」。ふだんは物静かな紳士 が満面に笑みを浮かべた。自 らも甲子園のマウンドを踏 み、エースのつらさが身に染 みて分かっているだけに、菅 原朗の好投は秋田の夏の甲子 園26年ぶりの勝利と同様の感 激だ。
「オレの分ま で頑張ってくれよ」。県大会決 勝で対戦した中川申也(経法 大付3年)の言葉が忘れられ ない。「中川のため にもまだまだ負け るわけにはいかな いんです」。相手は どこだろうとベス ト16で満足はしない。それま での笑顔にはなかった厳しい 目は、はるかなる頂点を見据 えていた。【桐越 聡】
[Table of Contents]創部97年、夏の大会16回 出場の伝統と歴史を誇る秋田 に、新しい歴史が加わった。 今回からアルプス席に14人の 華やかなチアガールがお目見 えした。これまで応援部中心 で、バンカラを色濃くアピー ルしていたが、8年ぶりの甲 子園出場を前に女子生徒14人 が、「応援させてください」と 名乗り。これを、学校側も受 け入れ、実現となった。チア ガールの仙北屋希帆さん(3 年)は、「バンカラのイメージ の伝統を守りつつ、華やかさ を添えたい」と、ポンポンを 元気いっぱいに振っていた。