あらすじ
1969(昭和44)年。 瀬戸内海に浮かぶ、刑部(おさかべ)島‥。
その島に、昔から続く家柄が2つありました。 一つ目が刑部氏。昔、島に逃げ込んだ平家の落ち武者7名のうち、 生き残った一人を始祖とし、 その後代々 島にある刑部神社の神職を勤める人たちです。 もう一つが越智氏。代々網元の家系のようで、こちらも 古くからの名主です。この刑部氏と越智氏は、 長いこと反目しあっている関係のようです。
そんな刑部島に向かう、われらが金田一耕助(鹿賀)。 そして金田一と道中たまたま知り合ったヒッピー風の 青年・ミツキゴロウ(古尾谷)の姿もあります。 刑部島でたまたま祭りがあると聞いたから‥と、 島行きの理由を語るゴロウですが、じつは島行には もっと大きな理由があります。それは後で語られます。
金田一さんは何故この島に来たのかといえば。 いろいろあって島を飛び出した越智竜平(伊丹)から、 島で消息を絶った青木という人の行方を捜すよう、 依頼を受けていたのでした。 ‥しかし。たぶん金田一さんが捜すはずだった青木さん (らしい人)の消息はすぐに分かります。 島の崖の上から海に堕ちて亡くなった男が、 どうやら青木さんらしいのです。そしてその 青木さんが亡くなる間際に言い残した言葉:
「あの島には悪霊が‥」
そして島に向かう途中。金田一さんの耳に、 ひとつの殺人事件の情報が入ってきます。 浅井ハルという霊媒・イチコで、 彼女はモグリの産婆もしていたのですが、 何やら「24年前、たまたま知ってしまった重大な秘密」を 使って誰かをずっとユスリタカリしてた結果、 ついに殺されてしまったようです。 その浅井ハルの数少ない持ち物の中に、 20年以上前の刑部神社のオミクジが‥。 ということは、その「24年前の秘密」というのは 刑部島に関係したことのようです。けど、勿論 その秘密の内容はわかりません。
島における人間模様。 刑部家には、刑部大膳(佐分利)という当主がいて、 その人が島のドンみたいな感じです。 その娘が巴御寮人(岩下)。巴の夫が守衛(中尾)。 さらに巴には真帆、片帆の双子の娘(どちらも岸本)。 また、ちょっと頭に障碍がある巴の双子の 姉・ふぶき(これも岩下)も離れに住んでます。 これが刑部氏の主な人たちですけど。 この家族は結構歪んでいて、守衛は仕事の都合で 本州に行ってることが多く、 家にはほとんど帰ってきません。また 真帆、片帆の娘たちもそれぞれ広島、尾道に住む 守衛の妾たちがそれぞれ育てていて普段は島にはいません。 つまり普段、刑部家にいるのは大膳、巴、ふぶき、 そして謎の男(下男?)吉太郎(石橋)の4人ということになります。
一方の越智家。金田一に青木氏の捜索を依頼した 竜平氏ですけど。どうやら若い頃に刑部氏の娘・巴と 恋に落ち、内緒の逢引きを重ねていた時期があった みたいです。内緒の逢引きの合図があって、それが 「鵺(ぬえ)の鳴き声」だったようですけど。しかしその恋も 結局は刑部大膳に見つかり、無理無理と別離させられた 過去があったようです。そののち竜平氏は島を離れ、 アメリカで事業を成功させ、大富豪となってまた島に 現れて今(1969年)に至るわけなんですけど。じつは 竜平氏は、若い頃に巴御寮人と別離させられた、 そのときの大膳に対する恨みをずっと忘れずに抱き つづけていて、 彼なりの復讐の機会を狙っているようでした。
そしてようやく事件が起こります。開始50分ほど。 祭りの最中、刑部神社で火災が起こるんですけど。 その火災に乗じる感じで、最初の犠牲者が出ます。 場所は刑部神社の拝殿。 神主の守衛が、金ピカでゲスな成金趣味むきだしな ご神宝「ノリツネの矢」を 胸に刺されて死亡していたのです。 (このご神宝は、刑部氏に対する越智竜平氏の ささやかな 嫌がらせとして、わざわざゲスに作らせたものを寄贈したようです。)
さらに被害者が出ます。次の被害者は 巴御寮人の娘のひとり、片帆です。片帆は、 神楽の若者の一人と激しい恋に落ちていたんですけど。 たぶん その逢瀬の後に殺害されてしまいます。 絞殺ぽいです。というか片帆の遺体の登場のしかたが、 野犬に臓物を喰いちぎられて‥という感じのため、 ほとんど‥というか完全にグロです。うげぇぇー。 なお時系列的には、守衛よりも片帆のほうが 先に殺されていたみたいです。
犯人は誰か? 磯川警部や金田一らの前に、 さまざまな情報や証言が集まります。 まず、旅のヒッピー青年であるゴロウが拝殿にいたとの 目撃証言が出てきます。 ゴロウに関しては、じつは本映画冒頭で出てきた 浅井ハル殺人事件、その現場に出入りしていたとの 目撃情報もあるらしく、 単なる観光客にしては怪しすぎる‥という感じもあるんですけど。 そのゴロウは「(巴の姉の)ふぶき が殺すのを見た」と意外な証言をします。 そしてそこから、刑部家が30年ほど隠し続けていた、 暗い秘密の扉が開いていくのです‥
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つぶやき
鹿賀丈史さんの金田一は、 私は結構いいんじゃないかと思います。 というか、写真とか静止画で見ると結構よい感じに見えるんですけど。 ‥けどなー。市川崑監督作品を見慣れてしまったからか、 実際に動く金田一さんを見てると、 なんかちょっと金田一さんは違うんじゃないか、という印象を 受けてしまうのは、ちょっと残念でした。 鹿賀さんが悪いんじゃなく、使い方が悪いんじゃないかと思います。
「鵺の鳴く夜」は一体何が恐ろしいのか??? ‥と いうのは、正直よくわかりませんでした。 竜平と巴の不義の子は、それほどまでして隠蔽すべき 重大な秘密なのか? とか、 何で あんなに息子たちの遺骨を後生大事に陳列していたのか??? とか、 よくわかりませんでした。わからないことといえば、 物語の発端で青木氏はなぜ死ぬ必要があったのかとか、 失踪した神楽の人の失踪にまつわる話は何なのかとか、 わからないことだらけです。
‥でもまあ、横溝作品を2時間ちょっとに収めるのは かなり難しいことで、それゆえ細部はテキトーに端折らないと 仕方ないというのはわかりますけどね。
途中、宮下順子さんが出てくるんですけど。 出てきたとき、もっとストーリーに絡んでくるのかと 期待したんですけど。結局、ちょっと出てきた だけでしたね。それが すげー残念でした。
吉太郎(石橋)の存在も、なんか 一癖ありそうなムードは出してはいたんですけど。結局は 刑部氏と巴御寮人の秘密を大膳とともに守り続ける 忠実な部下という以上でも以下でもない感じなのが、 ちょっと勿体ない感じでした。 石橋さんと宮下さんが絡んだりしたら面白いなとか 思ったんですけど。それじゃまるでロマンポルノか‥
主題歌の"Let It Be". 私がかなり昔、 この映画をはじめて見たときはビートルズのオリジナルの 曲が流れていた記憶があるんですけど。今回あらためて DVD で見たら‥‥あれ? なんかカバーになってるけど?? と ビックリしたんですけど。Wikipediaによると 「楽曲の使用権が切れたため」差し替えたんですね。 なるほど。
あと、たぶん多くの人が思うこととは思うんですけど。
ジョンレノン暗殺の話で始まるのに
"Let It Be"はどうですかね? (^_^;
宿屋の女中役の根岸季衣さん。‥んー。 悪くはないとは思いますけど、坂口良子さんには、 そりゃ、敵わなくても仕方ないですよね。
恋する少女の頃の岩下志麻さん。‥私は好きです。
ビデオ/DVD情報
[2014/04 現在]- 「ぽすれん」だと約100円で宅配レンタルできるみたいです
[URL]。
(ただし別途送料300円〜が‥
^^;。なので一枚だけ借りるより7枚借り(送料300円)が理想)(支払いはクレカ/Edyなど) - DMM のDVD単品レンタルだと480円(送料込) [URL]。 (支払いはクレカ/Bitcash/EdyもOKか)
- DVD購入の場合、amazon で新品だと16580円! 高っ!! [URL] ‥すでに正規の販売は終了していて、プレミアがついた価格になってますね。 DMMは取扱い終了[URL]。 楽天市場は‥右にバナーを張ってみましたけど、残念ながら、これも品切れみたいです。 プレミア付きの中古を漁るしかないみたいですね。んー。
横溝正史原作のミステリー小説を、鹿賀丈史を主演に迎えて映画化。悪霊が取り憑いているという噂から“悪霊島”と称される不気味な小島で巻き起こる連続殺人事件の謎に、名探偵・金田一耕助が驚異の推理力と行動力で挑んでいく。5.1ch仕様版。 （詳細はこちら）