[Most contents are written in Japanese Language] [Always under construction]

[チラシの裏]

悪魔の手毬唄 (1977)

題名 悪魔の手毬唄
監督 市川崑
脚本 久里子亭
原作 横溝正史
企画 角川春樹事務所
製作 市川崑, 田中収
出演 石坂浩二, 岸惠子, 永島暎子, 仁科亜季子, 加藤武, 若山富三郎
公開 1977.4.2



[Table of Contents]

おはなし

舞台は、昭和27年、鬼首(おにこべ)村。 金田一さんのシリーズは人間関係が複雑なのは いつものことですけど。 本作はなんか特に複雑な気がします。 小説だといいんでしょうけど、映画だと これ、かなりキツいです。

 A:ヤスコ、B:フミコ、C:チエ、D:サトコという4人の同級生たちが軸か。

 A:ヤスコは絶賛没落中の旧家ユラ家の娘で母親はA1:アツコ。

 B:フミコは新興のニレ家の娘。父はB1:ニレの旦那のカヘイ。

 C:チエは母C1:ハルエとともに村を出て、流行歌手に。 父はC2:恩田(偽名)という男。このC2:恩田は20年前、村にやって来た詐欺師で、 それに騙された旧家ユラ家は そのせいでさらに没落に拍車が。 そしてC2:恩田は、C1:ハルエを孕ませたのち、約20年前、 詐欺の件を詰め寄ったD2:ゲンジロウを殺害して逃走、その後は行方不明。 殺害現場には、E1:ホウアンという人物もいたらしい。 C:チエは普段都会暮らしだが、 この物語の間、久々に母とともに里帰りしている。 C1:ハルエの兄がC3:タツゾウ。

 D:サトコは顔の左半分に大きな赤いアザがあって、人目を避けて ひっそり暮らす。母親D1:リカは宿屋を経営。父D2:ゲンジロウは、 もともと村の者だが、ずっと神戸で暮らしていたものの、 約20年前に村に戻ってした。しかしその直後、C2:恩田が 詐欺師であると見抜き、C2:恩田に詰め寄ったら殺害された。 この際、顔面がテッテ的に焼かれてしまい、被害者が本当にD2:ゲンジロウ なのかさえ わからないような状態だったらしい(これが本作のポイントの一つ)。 兄D3:カナオはA:ヤスコと結婚したいみたいだけど、母D1:リカが猛反対。 カナオについては、B1:カヘイが 娘のB:フミコと結婚させたがっている。モテモテだな。

 その他の人たち。 E1:ホウアンさん。そして、E1:ホウアンの 5番目の妻(ただし離婚)・E2:おはん。E2:おはん は最近、 E1:ホウアンに復縁を望む手紙を出してきたみたいで、 なんか復縁ムード。20年前、E1:ホウアンは C2:恩田に部屋を貸したり、 C2:恩田とC1:ハルエの逢引きに手を貸していたりと、 かなり あからさまなキーマンぶり。 そして若山富三郎。‥いや、E3:イソカワ警部。 イソカワ警部は、20年前の D2:ゲンジロウ殺人事件のことがずっと 気になっていて、それにケリを付けるため金田一さんを呼んだ、と。 ‥だいたい、このへんまでが状況説明。長いな。正直、メモ取りながら 見ないと誰が誰だかわからない(^o^;


30分を過ぎたあたりから、徐々に物語が展開してきます。 金田一さんが20年前の事件の聞き込みを始めた途端、 E1:ホウアンと復縁ムードになってたはずの、E2:おはん は実は すでに前年に死んでいたことが明らかになるのです。え?! 嘘ッ!!‥と、 あわててE1:ホウアンの家に向かった金田一さんですけど、 ホウアン宅にあったのは食事途中の残骸と、どす黒い吐血の跡。 肝心のE1:ホウアンの姿がありません‥。

 そしてついに最初の死人が。A:ヤスコです。 どうやらA:ヤスコが死ぬ直前に、 腰の曲がった老婆が一緒だったらしい‥‥死んだはずの E2:おはん?! そしてどうやら殺人は、村に伝わる手毬唄に沿って行われているらしい こともわかります。‥けど、その手毬唄を歌ってくれる ユラ家のご隠居さんは、殺人事件が起こった後にその事件に対応した 手毬唄しか思い出してくれない‥。あと、E1:ホウアンが手毬唄を 知っているようですが、まあ、消息不明ですから。

 そしてA1:アツコが語る秘密。B:フミコはB1:カヘイの娘ではなく、 カヘイの妹B2:サキエ(遠く鳥取在住)の娘らしい。 そしてE1:ホウアンによればB:フミコはC2:恩田の娘ではないかと‥ (これは正解だった)。 つまりB:フミコとC:チエは父親が同じ、姉妹ということ。 このへんで60分。

 また、徐々に20年前のことが明らかになってきます。 D2:ゲンジロウは神戸で活弁をしていましたけど、 トーキーの出現で仕事がなくなったこと。それゆえ D1:リカともども鬼首村に帰らざるを得なくなったこと、 そして帰ってから一月ほどでD2:ゲンジロウが亡くなったこと‥。 またE1:ホウアンは、昔は庄屋の家であったものの、 ユラ家ニレ家の両家になにか弱みでも握られたか、 所有していた田畑を二束三文で買いたたかれて ほとんど失っていた ことなども明らかになってきます。‥しかし、ということは 資産もなく、所得もないE1:ホウアンの生活費はいったい どこから出ていたのか? 村の誰かがE1:ホウアンに貢いでいたのか? など、失踪した E1:ホウアン にまつわるナゾが深まってきます。

 次の犠牲者は、B:フミコでした。 ここでB:フミコの母B2:サキエが登場するのですが。ここでB2:サキエが 明かす真実。C2:恩田によると、最初に殺された A:ヤスコも、A1:アツコとC2:恩田の不義の子だというのです。 つまりA:ヤスコ(死亡)、B:フミコ(死亡)、C:チエは実は 姉妹ということです。

 100分を過ぎて。A,B,Cの関係が見えてくると、なんとなく その三人とDの関係が見えてくるようで、 とすると誰が犯人ぽいかというのも 何となく見えてきます。 その予想を裏付けるかのように、さらに明らかになる真実。 じつはB2:恩田も D2:ゲンジロウも ともに顔写真がないため、 彼らがどんな顔をしていたのか、実のところ 本人たちを直接 見たことのある人しか知らないという事実。 そして。E1:ホウアンに貢いでる人が、じつはD1:リカだったこと。

 そんな中、さらに犠牲者が出てしまいます。誰がどう考えても、 第三の犠牲者はC:チエかと思われていたんですけど。 犠牲になったのはそうではなくD:サトコでした。何故?! ‥‥金田一さん、よろしくお願いします。


[Table of Contents]

つぶやき

  • 原作よりも相当削ったんだろうとは思いますけど。それでもまだ 人物相関図が複雑すぎ! 原作を知らずに、映画館で突然これを 見た人たち、これほどの情報をこなしきれたんでしょうか。 私はちょっと‥いや、かなり、辛かったです。
  • でもやっぱ、160分程度の映画にこれほどの 人物相関図をブチ込んでしまったのはちょっと無理があったか、 人間相関図がある程度スッキリしてくると、事件の背景とか 犯人が誰かとかいうのが自然と浮かび上がってきてしまった感が あります。終盤、意外なことがなかったです。
  • B2:恩田と、D2:ゲンジロウの顔写真がなかったのは いいとして、でも似顔絵くらい作らなかったの?! 当時は?! というのがちょっと疑問でした。似顔絵も何もなかったら 指名手配できないじゃん、と思うんですけど、この頃、 1952(昭和27)年は今とは違ってたんですかね。
  • この作品もいい作品ですけど、やっぱ 「犬神家の一族」[URL]は スゴかったなあ、と改めて思ってしまいました。

[Table of Contents]

ビデオ/DVD情報

[2014/06 現在]
  • 「ぽすれん」だと約100円で宅配レンタルできるみたいです [URL]。 (ただし別途送料290円〜が‥^^;。なので一枚だけ借りるより7枚借り(送料290円)が理想)(支払いはクレカ/Edyなど)
  • DMM のDVD単品レンタルだと480円(送料込) [URL]。 (支払いはクレカ/Bitcash/EdyもOKか)
  • DVD購入の場合。 2014/6は「期間限定プライス版」なるものが出ているみたいです(たぶん2014/7/31まで)。 これが、楽天市場だと2179円(右にバナーがあります)。 amazon だと1963円。 dmm.com だと2430円
監督:市川崑
出演者:石坂浩二、 岸恵子、 北公次、 永島暎子、 仁科明子、 加藤武、 若山富三郎
収録時間:143分
レンタル開始日:2004-10-08

Story
石坂浩二主演による怪奇ミステリーシリーズ。古い因習が息づく鬼首村で、村に伝わる手毬唄をなぞらえた連続殺人事件解決を要請されて駆けつけた金田一は、手毬唄に隠された謎を探る。 (詳細はこちら

関連(?)情報

[Total pages] [Prev][Next]