東南アジアのどこか?から 日本に向かう定期客船の宝運丸。 これが東シナ海での嵐の夜、一艘の難破船を見かけます。 その難破船の乗員を救出したところ、 乗っていたのは黒柳(宍戸)はじめ いかにも怪しげな人たちばっかり。 ‥おや? これはひょっとして‥。 そうです。彼らは(たぶん)海賊でした。ただ難破したのはガチみたいで、 自分らの船が修理できるまで定期船をハイジャックすることに したみたいです。
それに対し、船員・乗客たちも黙ってやられてはいません。 ニトログリセリンを密造して黒柳らに反撃を試みます。 ニトロを手にして黒柳らに立ち向かったのは、ヤクザなボクサーの乗客・ 伊原(和田)。伊原の蛮勇を前にして、さすがの黒柳も降参します。 けどその直後、突然鳴り響いた汽笛に動揺した 伊原はニトロを手から落として‥いや、落とすんじゃなく、 落としそうになったところで、なぜか ニトロを海に向かって投げてます。船のすぐ横で大爆発するニトロ。 かくて、その汽笛のせいで船員らと伊原の反逆は失敗してしまいます。 汽笛を鳴らしたのは誰? 何故??
あやしい人間はすぐに明らかになります。船員の岩田(浅野)です。 あれ? 最初にニトロ作ろうと言い出したのは岩田なのに、 その企みをブチ壊しにしたのも岩田なのか?! どうやら岩田は金が欲しいみたいで、さらに会社の金の使いこみが 発覚していて帰国後にその処分が待っていることもあり、 なので乗客でショーダンサーのリサ(富士)が 密輸入目的で持っているダイヤを狙って持ち逃げするみたい‥いや、 修理中の海賊船に乗って、サッサと逃げ出してしまいました。 そのうえ、さっき作ったばかりのニトロをどこかに隠して、 皆が乗ってる定期船を吹き飛ばすつもりみたいです。うわー。 だからニトロ作ったのか。
と。事ここに至り、 定期船の人たちと海賊連中は争うどころではなくなります。 協力してニトロを探したところ、それは簡単に見つかりました。 浴室の風呂桶の中に、トグロを巻いたホースのトグロの中に、 なんか大量のニトロがあります。‥げえっ! これじゃ、いつ爆発しても おかしくねえ!! んで、どうするか。ニトロは酸性だから、 アルカリを使って中和、具体的には粉石鹸をニトロに入れることで 中和しようぜ、という話になります。 しかし。ちょっと刺激を与えるとドカンと来てしまう、そんなニトロが 大量にあるわけで。その大量のニトロを中和しきるほどの粉石鹸を、 ニトロに刺激を与えないよう そっと混ぜ合わせ続けるなんてこと、たぶん 一晩ずっとやり続けても終わるかどうかわからないのに、それを完遂するなんて 無茶すぎだろう、というツッコミも無論 出ますけど。しかし 海賊らが定期船をハイジャックしたとき、船にあった避難用の器具や通信設備は 全部破壊済という現状ですから。 その現状をふまえると、たとえ無理でもやるしかない、という話になります。
んで、皆の命がかかった中和の作業を誰がやるか。 伊原か黒柳かという話になって、結局伊原がやることになります。 乗船する皆が見つめる中、息詰まる中和の作業が始まります。 んでこの作業が長く続くもんで、作業をする伊原と黒柳以外の 人たちも心身ともに限界に達しています。 果たしてニトロの除去作業は完遂するのか? そして、 黒柳らをこんな目に合わせた岩田らは??