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[チラシの裏]

非行少女 (1963)

題名 非行少女
作成 日活
監督 浦山桐郎
脚本 石堂淑朗, 浦山桐郎
原作 森山啓
出演 和泉雅子, 浜田光夫, 小池朝雄, 香月美奈子, 吉田志津子
公開 1963.3.17



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あらすじ

東京に出たものの、勤めていた工場が倒産、失業して故郷の金沢近辺の内灘のへん? (最寄駅は架空の河北潟駅。粟ヶ崎駅がモデルか?) に 帰ってきた三郎(浜田)。彼は、昔の知り合い、ワカエ(和泉)と再会します。 二人の関係は、というと。何なんでしょうかね。10年くらい前に、二人の親とか兄とかが「内灘闘争」(1952〜) に参加していて、その仲間だったのが途中で分裂して いがみあってた遺恨が 今もまだ残ってる、そういう関係みたいです。

 ワカエの家庭環境はかなりヒドいみたいで、結果、ワカエは学校(中学生!)にも行かず、 場末のバーで酒をグビグビ呑んだくれる女給の仕事をしたりしてるようですが、 その仕事も3日で逃げ出しちゃったようです。

 他方の三郎。こちらの実家で兄貴は町工場をやっていて、 町会議員に立候補(のち当選)してるみたいです。 そんな家にいるのはやっぱイヤみたいで、 内灘の浜辺にあるワカエの秘密基地(弾薬庫の廃墟)で、 ワカエと遊んだり、勉強を教えたりするようになります。 ‥けど早いな。開始20分くらいでもう恋しちゃってるよ。

 でもワカエはすでにかなり坂を転げ落ちてますからね。 三郎と二人でいるときは普通な少女の素顔を見せるんですけど。 三郎が出してくれた月謝のお金を杉山俊夫さんに取られて学校に行けなくなったり、 仕方がないので挽回のため学校に盗みに行ったら見つかったり、 三郎がワカエにプレゼントしたスカートのことがバレてワカエ父が三郎宅にタカリに来たり‥と、 家族そろって絵に描いたような鼻つまみ者ぷりを発揮してしまってます。 そして三郎は、ワカエのことがわからなくなって 二人の仲は破局へ。‥早っ! まだ、つきあいだして10分も経過してないのに!!

 ‥でも。これに困ったのはワカエです。 ようやく見つけた「自分にやさしくしてくれる人」なしで生きるのは辛すぎるみたいで、 知り合いの養鶏所で働く三郎のもとにやってきてしまいます。そして夜、 どこにも行きたくなくて三郎が働く養鶏場に忍び込んだワカエは、そこで ついうっかり 火事を出してしまうのです。うひゃー。

 そうしてワカエは家裁→児童相談所→恵愛学園(非行少年少女保護教育施設らしきもの)と 進みます。 このへんでだいたい一時間経過。 ワカエはここでようやく、クラスメイトたちとの落ち着いた生活を送ることになります。 世間からはみ出してしまった人たちばかりですけどね‥。

 そして三郎と「いつかそのうち」なんて約束しながら、あれ? なんか更生して卒業して三郎には内緒で大阪に働きに出るとか何とかいう話になってますけど、 どういうこと???


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つぶやき

  • 白黒です。
  • 何というか、浦山桐郎監督作品らしい作品ですね。展開が重くてしんどいんですけど、 そのぶん見応えがあるのは確かです。
  • 見てる途中で、最後に救いらしきものがないとキツいよなー、とか思ってましたけど。 ワカエはなんか前向きに新しい人生を送れるんじゃないの? 的終わり方でよかったです。 ただ、見送る先生がたが「ああいう子が、うまくいってくれるといいんだけど」的 言い方をして見送ってましたけど。現実はやっぱり厳しいんでしょうか。 まあ癇癪持ちですからね‥ (と、我ながら感情移入してしまってる)
  • ヒロインの和泉雅子さん。すごく いいっすね。‥すみません。これまでこんなに素晴らしい 女優さんだとは思ってませんでした(^_^;
  • でも、さすがに中学生というのは、どうよ? ‥とは思いましたけど。調べてみると、 本作の公開は1963年。和泉さんの誕生年は1947年らしいですから、当時16〜17歳か。 まあ中学3年とするなら、ギリギリセーフ?
  • でもさすがに中学生がヒロインのラブロマンスはどうなんでしょう。‥‥んー。 でも当時と今とじゃ時代が違いますからね。 中卒で社会人、なんて人の割合もかなり高かった時代ですから、まあ、 今の中学生とは全然違うのは確かですけど。今でいう大学生相当?
  • クラスメイトのトミコ(吉田)がした「もう普通の人には戻れない」(うろおぼえ)なんて 話を否定しようとするワカエにトミコが「そりゃ、あんたは別嬪だから」(うろおぼえ) なんて返しをしたシーンが、なんか印象に残りました。‥‥うん、俺もそのシーン見てて、 同じこと思っちゃったからです。だってワカエには三郎がいたから‥というのがあったし、 三郎はやっぱりアレですよね。ワカエが別嬪だから愛しちゃったんでしょうし‥ (^_^;
  • 浜田光夫さんが出てる、身分ちがいの恋物語ということで 「泥だらけの純情」 (本作より一月前に公開。なのでほぼ同時期の作品) の逆パターン? まさか最後は心中?! なんて思いましたけど。さすが同じではなかったですね。というか、 それだったら浦山監督は撮らない気もしますね。‥‥といいつつ。本作における浜田さんも そんなに「すごい」という訳じゃなくて、まあ、普通の人ですよね。 そういう人がすごい上の人のように思えるのは、やっぱアレか。金沢駅の食堂で泣くやつか‥。 あのシーンはすごく印象に残りました。というか、見ててハラハラしました
  • 鶏小屋の火事のシーン。全身火だるまになって逃げまどう鶏らしきものが 何羽か見えたんですけど。‥あれ、ガチなのかな‥
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