キーボード入力の速度というのは、人ごとにずいぶん違います。ここでは とにかくムチャクチャ遅い人、紙にペンで字を書いた方がはるかに速いよ! といった感じの人を念頭にしています。
そういった感じの人たちがキー入力する様子を観察すると、やはり、 文字キーを一つ一つ探して、確認しながら入力していることが多いです。 つまり彼らがまず すべきことは、やはり、キーボードのどこに どの文字があるのかを ある程度記憶することのようです。
でも、じゃあ、どの文字から覚えたらいいとか、あるんでしょうか。 ‥ここで私は思ったのです。 日常で よく使われる文字が、もしあるとすれば、その文字のキーは おそらく 文字入力の際に我々が最も多くタッチするキーになるでしょう。 ということはつまり、日常よく使われる文字からマスターしていけば、 それなりに効率的に文字入力速度を上げていくことができるのでは? と。
[Table of Contents]そこで。 まず英文においてよく使われる文字を見つける、ということで。 ここでは、 Project Gutenberg [URL]でたまたま目にとまった セルバンテス作(1605--1615)「英知あふれる郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」 (通称「ドン・キホーテ」) の英訳テキストを用い、このテキスト中に 頻繁に出現する文字は何か、また、あまり出てこない文字は何か、というのを 調べてみました。結果:
1位 2〜7位 8位 多い文字 e (217,160), t, a, o, h, n, i, s (113,889) 少い文字 z (1,084), j, q, x, k, v, b, p (25,788)
これら文字を、我々が普段使うキーボードに当てはめてみるとこんな感じです。
よく使われる文字が赤、あまり使われない文字が黒です。 大まかな方針として、下段と A 以外の端っこは後回しにしていい感じですね。 それと中段より上段のほうが使う回数が多そうです。これはやはり「上段に母音が多い」と いうのが影響してそうです。ということで、ポイントは上段(端を除く)か‥。
[Table of Contents]じゃあ、日本語ではどうか。ここでは、 青空文庫 [URL]から入手できる 太宰治(1948)「人間失格」を 使ってみます。この作品は漢字仮名混じり文で書かれていますが、これをまず kakasi というソフト [URL]を使って、すべて ひらがな化します。この「ひらがな化」の 手順はちょっと‥いや、かなり いい加減な ひらがな化をしてしまいますが、 他に手頃な方法が見当たりませんでしたので、今回はそれで済ませます。 そしてその「ひらがな」を、さらにその文字を入力する際のローマ字入力文字に 変換したうえで、各文字の出現頻度について、だいたいのメドをつけてみました。
1位 2〜7位 8位 多い文字 a (19,476), o, i, n, u, t, e, s (8,764) 少い文字 l,q,x (0), v, p, f, z, c (1,152)
これら文字を、英語のとき同様に、 我々が普段使うキーボードに当てはめてみるとこんな感じです。
よく使われる文字が赤、あまり使われない文字が黒です。 ‥んー。基本的に英語と似た感じなんですが、予想はしていましたが 母音の出現頻度が 英語よりもさらに上がっていて、それゆえ上段の重要性がさらに増している感じですね (両端を除く)。
[Table of Contents]キーボード上の文字は、やはり出現頻度の高い文字から覚えたほうが良くね?? ということで、 出現頻度の高い文字はどれかの調査を行なってきましたが。 その結果、 たぶん最初にマスターすべき文字は、上記の調査によると 以下の9文字になりそうです。
母音 a, i, u, e, o 子音 s, t, n, h
ということでまず、この9文字を組み合わせた文字を集中的に練習すれば効果的!
‥かもしれないですし、あまり効果ないかもしれません(^_^;
そのへん、やはり実際にやってみないとダメかなとも思い、作ってみました。
これです。フリーで よく使われる「打鍵トレーナー」の パッケージに、私がちょっと手を加えたもの(version 2013)を使い、その辞書データを 上記9文字より構成される「ひらがな列」のみとした、つまり9文字しか入力しないので ラクといえばラクそうだけど、文字列がランダムなのでそこは厳しい‥という、なんか 難しいんだか、難しくないんだか、よくわからないページになりました。 もし興味ある人がいたら、試してみてください。