読んだ後、ちょっとネタとして使えそうなところもあるなあ と思いましたので、
とりあえず概要をまとめてここに出しておきます。
(概要をまとめて よく見えるところに出しておかないと、読んだ内容も、これを読んだことさえ
肝心なときに思い出さないことがありますので‥)
非常に読みやすいですね。この読みやすさは何なんだ‥。
[Table of Contents]1. 情報平準化のおそろしさ
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総務省情報通信政策研究所『情報流通量インデックス』(平成23年8月)によると、
インターネットの情報量はH13からH21までの8年間で70倍超(p.19)。
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情報量が膨大になった今、一次情報と二次情報のあいだに1.5次情報を想定しても
よいのでは? 1.5次情報は、警察など公的機関や新聞報道など、信頼性が高いと
判断できる情報源からの情報。(p.28)
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コピペの危険性。「情報」は最初、フランス語の renseignement の訳だったらしいが、
Webで調べると renseinement というスペルミスが目立つ。コピペの際に
裏を取るという習慣がなくなってきてる? (p.32)
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ミシュランの星と、食べログの星。どっちも同じように見えてしまうが、そうではない。
ミシュランは、それが正当かどうかはさておき、長年にわたってブレない評価基準があって、
それに基づいて判断する。「個人の感想」ではない。
[Table of Contents]2. 「みんな」とは誰のことか
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Yahooなどポータルサイトのニュースは、自前のものでない。配信された記事を、
Yahooが選別し並べてるだけ。並べ方の指針は秘密(p.50)。
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Googleの検索順位も、よく考えてみると不思議。何の順位か。お勧め順でも、
重要順でも、人気順でもない。基準がよくわからない「検索システムが決めた順位」。
SEO全盛の今は、お金をかけた順とも言えそう(p.53)。
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ネットで本を購入する場合も、実物をパラパラとめくって判断するのでなく、
他人のレビューを頼るしかない。意思決定に、他人の意見が占める割合がデカい(p.58)
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Amazonの「おすすめ」は、過去の購入履歴などを利用して、大まかな傾向を
紹介してくれるだけ。それで「おすすめ」なのか。
(魚屋の「奥さん今日はハマチがお勧めだよ」と同じか違うか。)
単に「この人ならこれが売れそう」というだけじゃないのか(p.60)。
100人の「みんな」が「いいねー」と言ってたとして、だから何? (笑)(p.66)
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ニュースサイトもアクセスランキング形式。これだと読みたいニュースしか読まなくなる。
食物にたとえると、どうしても偏食になり身体を壊すだろう(p.62)。
これについては、記事の配置にも工夫してる紙の新聞に軍配。
[Table of Contents]3. 情報のウラを「読む」
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「ネットで調べました」は禁句。情報の発信源に注意するのも大事。
情報の信憑性を気にする習慣がつくかもしれないから(p.85)。
(Y!Jのニュース。Y!Jは情報発信源じゃない。)
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ダブルチェック・トリプルチェックの重要性(p.94)。
ただネットだとWikipediaのコピペなど、コピペ情報が蔓延してて危険。
ビジネス関連の場合の、一般的な情報源の信頼性: (1)官公庁資料、(2)業界団体資料、
(3)シンクタンク資料、(4)民間調査会社資料、(5)新聞雑誌。(p.97)
ただ官公庁の調査内容でも、たとえば空港の需要予測とか、いろんな大人の事情が絡むものは
内容はアテにならないことも多い(p.101)。
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スマフォに対する意識調査の例。「買いたい 17%」「興味がある 31%」
「当分購入予定はない 26%」「関心がない 18%」「もう持ってる 8%」‥‥
保有率は1割未満、「買いたい」「興味あり」の合計が48%、
「無関心」「購入予定なし」の合計は44%、「無関心」は約2割、など、
立場が違えば違う全体像が見えてくる。しかしこれに
「スマフォ、半分が購入予備軍」という見出しがつくとどうか。
見方が画一化されてしまいがちにならないか。(p.113)
統計の数字は、何を目的として、誰を対象に、どう調査したかで数字はかなり違う(p.116,140)
(PCオンチな家庭は「通信利用動向調査」の わけわからん調査項目に答えるのもウンザリ)。
[Table of Contents]4. 情報を「選ぶ」訓練をする
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コピペはなぜダメなのか。裏取りが不十分だから。
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検索では、探せるものと、探せないものがある。新製品のアイデアは検索できない。
情報活用力とは、正解を探し出す能力でない。正解に近いこと、正解に近づく手がかりと
なる複数の情報を組み合わせて、そこから自分なりの答を導きだすこと(p.133)。
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存在しないデータもある。たとえば「世界の難民キャンプにおける学校設置状況」など
(誰が調べ得るのか?)。ある、ないの確度を上げる方法。誰がそのデータを調べていそうかを
考え、その人たちの周辺を洗うのだ。国連難民高等弁務官事務所とか。
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リサーチに必要なのは、目的をはっきりさせること。最終的にできあがるレポートの内容を
ある程度イメージして、そこから逆算して、何をどう調べるかを決めていくかんじ。
「何のために情報を集めるのか」「最終的にどうまとめるかを事前にイメージ」
「調べる前に、どう調べるかを考える」が重要(p.147)
(情報収集作業では、なにをどう調べるかというのは、
だいたいパターン(フレームワーク)ができている。)
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情報とは何か。最終的には「説得材料」だ(p.158)。つまり、相手に理解してもらい
「はい」と言ってもらうために必要となるもの。説得力。
説得したい相手のことを考えるのも重要。
[Table of Contents]5. インターネット時代の情報リテラシー
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ポイントは、ふと考えてみること。たとえば「パソコンの世帯普及率はどれくらいか」と
聞かれたときの当てずっぽうな答え。なんでそう思ったのか、もうちょっといろいろ
考えてみるとどうか、など、自分の思考回路を整理し、そこに思い至る過程を具現化し
説明できるようにする、そんなことをするのが大事
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自分の身近な状況から具体的に考えることは第一だが、同時に、一歩引いて、遠くから
自分の状況を眺めてみることも大事。
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本屋や図書館に行くのも大事。思ってもみないところからの発見、というのが
非常に大事。図書館の場合、過去の蓄積があって、それが重要。
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街に出て、いろんなところに目をやり、いちいち考えることは大事。意識しなければ
見逃してしまうたくさんの情報を、情報として意識してみることにより、
情報を見抜く力は養われる。
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