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[チラシの裏]

犯す! (1976,日活)

題名 犯す!
作成 日活
監督 長谷部安春
脚本 松岡清治, 長谷部安春
出演 八城夏子, 二俣朱美, 谷ナオミ, 蟹江敬三
封切 1976.02.07



このビデオのパッケージを見ると、こんな感じの文句が書いてある。 (うろおぼえ)

女にとって最初の男以上の男は存在しないのか?!
この根源的な問題をテーマにした衝撃の問題作!!
でも 見てみると ちょっと違う感じがするんだ。 そこで、ちょっと、そのへんにこだわって話をすすめてみたい。


まず最初にヒロインが犯されるシーンからだ。

帰宅途中のヒロインがマンションのエレベーターの中で 刃物をつきつけられて無理矢理強姦される。
このとき エレベーターのブザーがビービー鳴っている中で、その行為を完遂してしまう 蟹江敬三の集中力には驚いてしまうんだけど、まあそれはいいとして (^_^)

悪夢のような刻が過ぎ去った後。 なんとか自分の部屋まで戻ってきたヒロインは涙を流す。 涙を流しながら、服をきたままシャワーをあびて、それから、 汚れてしまった衣服を、むせび泣きながらゴシゴシと、 何かにとりつかれたかのように、ゴシゴシと洗うんだ。 このときのヒロインの様子は、まさに

エレベーターの中で見知らぬトノガタに強引にレイプされたという、 その不条理なシチュエーションを思い返しただけで、 もうオツユが吹きだしてきちゃって、オ○ンコがヌレヌレになっちゃうの:-) ああ〜ん、もうガマンできないわ〜ん..
... なんてことは決してなくて:-)
文字どおり「力づく」で相手の思いどおり、そして自分にとっては イヤなこと、を押しつけられ、しかし受け入れることしかできなかった 自分の弱さ、そしてあのときの状況への悔しさ、そして怒り、に満ちている ように読めるんだな。
なんで自分は弱いんだろう。こんなに弱くなかったら、こんなひどい 思いをしなくても済んだのに。 なんで自分は弱いんだろう。こんなに弱くなかったら、こんなひどい 思いをしなくても済んだのに。 なんで自分は弱いんだろう。こんなに弱くなかったら、...

しかし、こんな文字列を何度も何度も何度もくりかえすうち、ある重大な 問題にいきつく。

「こんなひどい思い」 ... 自分はそんなひどい目にあったのだろうか ?!
言うまでもないことだけど、ふつうの暴行よりも性的な暴行のほうか 事態が深刻であると考えるのは「常識」によるものだから、 「なぜ??」と疑いだすと、じつは根拠が薄弱であることに気付いてしまう。 (私はとくにこの「常識」を否定するものではないですよ、念のため)

そして、あの事件を単なるゆきずりの暴行事件と考えた場合、あの敬三の 行動をどう解釈するとよいのだろうか。そして2度と自分の弱さに対して、 くやしい思いをしないためには、どうしたらよいか。

実は ここまできたら ほとんど答えは出ている。そうだ。 ヤラせてやればいいだけだ。何故かよくわからないんだけど、 男はやりたがる。だから、ヤラせてやれば男は自分のために動いてくれる。 あとは、これまで自分がなんとなく大事だと考えていたことについて、 それが実はさして大切なものではないんだと割り切れさえすればいいだけだ。 すでに行きずりの男に強姦されてしまっているわけだし、 守るべき大切なものなんて もう自分には なくなっているのかもしれない。

 で、あとはこの考えを検証するだけだ。行きずりの男性遍歴を 重ねるヒロイン。つぎつぎと無表情にマタをひらいてゆく。 いつでも無表情なのは、やっぱり理論の検証をしているから としか 考えられない:-) ... かくしてヒロインは確信を深めていく。 残るは最後のステップだけだ。 あの男 -- エレベーターで自分をひどい目にあわせたアイツ -- も 自分の思いどおりにできることを確認するだけだ。

 さて。ここで話を敬三に移そう。彼はさすがにそんな簡単ではない。 ふだんはリスを飼っている、動物好きのおとなしい無口な青年なのだ。 しかし、ごくたまに、強姦魔へと変身する。ううむ。このキャラクター設定は、 どう解釈していいのかよくわからない。

 ひとくちに「男」といっても、じつは「オス」である時と、単なる人間である 時があり、つねに女の思うままになる訳ではないよ、ということなのだろうか。 あるいは単に、自分がしたいときだけする(つねに強姦)、したくない時はしない、 という自分勝手なコミュニケーション不全青年というだけのことなのか。 よくわからない。

まあ、いずれにせよ、二人は偶然再会する。いよいよクライマックスだ。 誘ったのは女。ここまでの成り行きで、まあ当然のことだ。 しかし敬三は激しく拒絶する。それが「人間モード」だからなのか、 単に自分が何かを押しつけられるのがイヤだから、というだけからか。 ま、いずれにせよ、このシーンは明らかに最初の強姦シーンと対になっている わけで、ここでようやくタイトルが「犯す!」であった理由がわかる仕組みだ。 ええい面倒だ、とナイフを取りだしイッキにカタをつけようとする敬三。 しかし。はずみで、そのナイフを自分に刺してしまう。 かくて敬三は仰向けに倒れ、瀕死の状態になってしまう。 そんな敬三の上に乗っかり「犯す」ヒロイン。あえぐ。 一方、犯された敬三は 犯されつつ息を引きとる。

かくしてヒロインの復讐が遂げられ、ドラマは終了する。 おいおい:-( 「ヤラせれば男は自分の下に屈伏する」ことを実践するんじゃないのかよ。


この最後のシーンからすると、やはり、うろおぼえの例の売り文句:

女にとって最初の男以上の男は存在しないのか?!
この根源的な問題をテーマにした衝撃の問題作!!
こっちの方が見方としては正しいような気がしてくる。

しかし、よく考えてみよう。 なんでヒロインは理論をたてて検証作業をくりかえしたのだろうか。 (「そんなことしてないって」... という見方も説得力がありますけどね:-p) 自分の「力」で敬三を屈伏させ、 あの「悔しさ」への復讐を果たすためではなかったか。 こう考えた場合、やはり最後の「強姦」は最初の強姦への復讐であり、 快感にあえぐのは、(しかも被害者は快感を感じていない) 相手を自分に屈伏させたことに対する快感ではないのか。 . . . フムフム。やっぱり、そうだよね。結果としては、 アクシデントが発生してしまったせいで思うような展開にはならなかったけど、 最後には、あの自分を屈伏させた敬三を屈伏させた訳だし。

... と、ここまで書いたところで気付いてしまった。例のアオリ文句:

女にとって最初の男以上の男は存在しないのか?!
この根源的な問題をテーマにした衝撃の問題作!!
これって、じつは
「女にとって最初の男」は、良きにせよ悪しきにせよ、特別な感情を持ってしまう 対象だから、その男以上に思い入れできる男はナカナカいないだろう。 このような点から、最初の男「以上の男は存在しない」可能性は高いかもね。 いや、きっとそうだ。それに匹敵する程度のオトコは出るかもしれないけど、 越えることは難しいんじゃないの??

... だって、こんな強姦のパターンでも、きっとこうなるはずだし。

こういう内容のことを述べているとしたら!! ... じつは、ひじょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜に深い [と、いうほどでもないか]アオリ文句であったということか!! たしかに 「この根源的な問題をテーマにした衝撃の問題作!!」と書いてあるし。

すみません。ちょっとナメてました (-_-; > にっかつ の広報の方
今後、気をつけますです。

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