たとえばテニスギャル。なんであんなに爽やかなんだろうね。 いや、爽やかなのはそんなに悪いことではないんだけどさ、 たとえばオレのような人間には、ちょっとイヤミに思えることもあるんだ。 オレってさ、どう頑張ってもあんな「さわやか」になんかなれないし。 それを考えるとさ、何ちゅーか、神様って不公平だよなー。 ... だんだんムカムカしてきたぞ。(-_-#
なんだ、あいつら。自分の「さわやかさ」を見せびらかしやがって。 お高くとまりやがって。たぶん、きっと、いや絶対にオレのこと 見下してやがんだぜ。ちくしょう。今にみてろよ。
ぜったい犯したる (-_-#
思いがけない事件からドラマが始まる。男が女を家まで送っていく途中。 ひとりの痴女にからまれ、車でひき殺してしまう。過失とはいえ、 犯してしまった罪の大きさにおののく二人は、 どうしたらよいかわからず、はげしく互いを求めあう。
しかし、ふたりが犯した罪は誰にもバレなかった。 安心した気持ちでふたたび抱き合うふたり。でも、あのときほどの 盛り上がりがない。おや?? これって、どういう訳だろう。 ... はじめから答えはわかっている。次のイケニエが必要だってことだ。
「爽やかさ」への羨望、いや憎悪のココロ。 この気持ちが強かったのは、むしろ男よりも女のほうだった。そりゃそうだ。 男は自分自身がテニスギャルになる必要なんてないからね。 および腰になる男にゲキを飛ばして、獲物を決め(テニスギャル)、 男に切り裂かせる。そしてその後の XXX ... ああ、クセになりそうだわ:-)
かくして罪を重ねる二人。そして、 罪を重ねるごとに、女は男にのめりこんでいく。 そして同時に、男は犯罪そのものへと、のめりこんでいく。 そして男は女に醒めていく。かくて「切り裂きジャック」の犯行は エスカレートしていく。 ... オレが話しかけたら無視したがったあの女。 切りきざんでやった。女体という白いキャンバスを彩る、真紅の絵の具。 見とれちゃうぜ:-)
はじめは死体の処理とかもそれなりにしてたんだけど、もう、 どうだっていいや。オレのやっていることがバレようがバレまいが、 もはや、どうだっていいや。とにかくオレはあの紅のものを見てるときに、 いちばん自分が活きてる、って感じるんだ。もう、こうなると、 ムカツクからどうの、なんてことはどうでもいい。とにかく切り刻むだけだ。 そこで「獲物」がいそうな建物に侵入し、そこにいる獲物を切り刻んでみた。 すっげー気持ちいいぞ。
どっかの病院の看護婦の寮にも侵入した。そこには獲物が四匹もいてさ。 順に刻んでいったんだけど、あのときは、獲物を切るだけじゃなくてさ、 獲物を切り刻んだときの他の獲物どもが見せてくれる表情がさ、また、 どうしても見たくてさ。あれも何だかヤミツキになりそうな感じだな。 で、そこにいた獲物を全部切り刻んだ後にさ、あの女に見つかっちまった。 . . . なんか面倒だ。刺しちゃえ。ぶすっ。
. . . . .
こうして「切り裂きジャック」はさらなる活動を続けるのであった..
面白かったなあ:-)
女が「爽やかさ」への嫉妬と現実への復讐? から、テニスギャルを殺し (男に殺させ)、その直後に自分と抱き合う、その行為にすごい説得力が あったし、さらに、その後、犯罪を重ねていくたびに男の行為が エスカレートしていくのも非常によく描けていたと思う。
でも、こういう「爽やかさへの嫉妬と復讐」というテーマって、
80年代以降になると、ほとんど見なくなるんだけど、
どこに行ってしまったんだろうね。
# 若者が皆「さわやか」になってしまった、ということか:-(
^^;
)(支払いはクレカ/Edyなど)