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[チラシの裏]

誘拐 (1997,東宝)

題名 誘拐
作成 東宝
監督 大河原孝夫
脚本 森下直
出演 渡哲也, 永瀬正敏, 酒井美紀, 柄本明
封切 1997.06.07



最初の身代金の受渡しのシーン、よくやったなあ、と素直に感動して しまいました (^_^) またこの映画、主犯が誰なのかが なかなかわからなくて、 「ああっ!!」と気付いた瞬間、それまで気付かなかった自分が 恥ずかしくなったです。なにせ永瀬が「主犯には仲間がいます..」と 言いだしたときでさえ、何を言ってるんだかよくわかってなかったし (-_-) . . . うう、ウカツ。

さて。
この映画を見て、こーいうことを思ったのはオレだけなのかもしれないけど、 時間の流れというのを感じた。じつはこの映画の枠組って、 渡がヒドい目にあってガマンしたけどついに復讐を実行する、というもので、 要するに昭和40年代中頃の 「無頼」シリーズと同じなんだよね。 でも復讐のしかたが違ってた。まずは正当な方法で問題を解決しようとする。 でも、どうしても実力行使をせねばならなくなったとき、 自分の感情をなるべくおし殺し、最善の結果が出るような方法を選ぶ。 暗い目をして黒ドスを振り回す解決方法しか思いつかなかった 25 年も前の渡とはゼンゼンちがう。 昔を反省したからなのか、知恵がついたからなのか。 渡はすっかり変わった。大人になった。(あたりまえだ、っつーに) そして何よりも最後に出たこのセリフ:

「オヤジ、最後はおだやかに生きてくれ」 (うろおぼえ)
すべてをなし終え、両手をつきだす渡の表情。これは、 復讐を果たした後に泣きそうな、苦しそうな表情をしていた 25 年前の 渡にはなかったものだ。おだやかな表情。

「オヤジ、最後はおだやかに生きてくれ」
過ぎし日の、ドスでしか払うことのできない、でも、 ドスを使うことによってさらに深まってしまう五郎の苦しみが、 このセリフによって解放されていくのが見えたような気がした。
# 単なる妄想というかコジツケだっていうのはわかるけどね


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