前兆は、あったのです。岩槻付近の地盤が盛り上がっていたのです。 溶岩の盛り上がりも観測されていました。 川津(勝野)は、地震予知会の会議で これは東京の直下型地震の前触れでは? と危惧しますけど、 しかし予知会の人たちの反応は鈍い。だって地盤の盛り上がりと 地震との相関なんて聞いたことないから、まあ当然ですね。 そんな人々に川津は言い切るのでした。
「30日以内に、首都を直下型地震が襲う」と。
‥なんて無責任なハッタリ(^o^;
ちなみにこの川津という男、もともと業界ではかなり我侭で知られた 問題児のようですけど。しかし その筋の超大物、川津ムネチカ (関東大震災を警告した人)の婿ゆえ 誰も何も言えないみたいです。けど川津も家に帰ると、 いちいち「川津ムネチカの名を‥」と五月蠅い義母との間で大変みたいで、 地震予知会でのハッタリのせいで離婚するとかしないとかの話になってます。 川津は、だったら離婚してしまって ずっと不倫状態にあった 研究所のアシスタントのアシダトミコ(多岐川)と結婚しようと 考えたりしてますが ‥‥まあ、そんなことはどうでもいい話ですね。
地震の防災対策が重要と考える川津は、燃えない車の開発、 トンネル火災における避難方法の研究などに取り組んでます。 また、運よく総理大臣(佐分利)に直接訴える機会を得たとき、 防災対策として以下:
んでその後、妻(松尾)とアシダトミコをめぐる男と女の ゴタゴタ話の中。お待たせいたしました。 やっぱり唐突に、大地震は やってくるのでした(ここまで71分)。
川津夫妻は地下鉄銀座線の車内。 地震予知会長は大阪から東京に向かう飛行機の中。 アシダトミコの幼馴染のジャーナリスト(永島)は、 アシダトミコの部屋に向かうエレベーターの中。 そして、アシダトミコはマンションの部屋の中にいました。
[Table of Contents]2011年3月に震度6を経験してしまった身としては、 なんか いろんな邪念(?)が頭をよぎり続ける感じで、 あまり落ち着いて映画に没頭できませんでした。‥まあ、 そんなに没頭して見るほどの作品でもないかも?
序盤。「地盤の盛り上がり」「溶岩の盛り上がり」が直下型地震に 結びつくというのは、ちょっと無茶じゃないかと思いながら。 これが直下型地震じゃなくて、富士山大噴火とかなら あんまり違和感ないですけどね。でも富士山、やっぱり 都心から遠すぎるから映像的にイマイチなんでしょうね。
川津が総理大臣に進言した防災対策。「道路を倍の広さ(車線数を2倍?) にして、非常用に緊急車両だけを通す」という対策ですけど。 おそらくこれは防災の専門家にお伺いして得た知見に基づいたものだと 思うんですけど。 もし実行したとして、現実にどの程度効果あるんですかね。 震度6以上になると あちこち道路がボコボコになっちゃうとか、 たとえ既存の消防車がフル回転できたとしても 大地震の直後に 水はちゃんと確保できるのか とか、緊急車専用車線を 作っても結局 交差点の渋滞に巻き込まれるんじゃないか とか 考えると、本作内の総理じゃないですけど、無謀というか、 対費用効果という点では あまり効果なさそうな対策に思えますけど、 どうなんでしょうか。
本映画最大の見どころといえばやっぱ、地震の描写ですよね。 中野特撮監督のインタビューを見るかぎり、 この場面の作成に当たっては、専門家の人たちと かなり綿密に コンタクトを取って 震災の様子を作り上げていったみたいです。
‥みたいですけど。阪神大震災とか、東日本大震災の模様を 見てしまった後ですからね。何かどうしてもウソくさいというか、 怪獣映画ぽくしか見えないのがちょっと残念です。 (怪獣映画ぽさ、についてはBGMの影響もありそうです。) (震災後に作成された「シン・ゴジラ」(2016)は逆に、怪獣映画なのに 画面はしっかり災害映画になっててビックリしました。‥でも水害じゃないと、 あんな瓦礫の散らかりにはならないんじゃないのかなー、というのは ちょっと気になりましたが‥。閑話休題)
でも当時の耐震基準は 今のものより ずっと緩かったはずで、 実際、阪神大震災のときでも当時の耐震基準に基づいた建物と、 それ以前のものとでは建物の壊れ方が全然違ってましたからね。 だから本作が公開された当時、 阪神大震災規模の直下型地震がもし起こっていたら、 この映画の特撮と同じくらい街は破壊されていた可能性は、 あったんですよね。
アシダトミコの部屋での地震発生のシーン。どうやら多岐川さんは 用意された撮影用セットが本当に揺れるセットだとは知らなくて、 なのでガチで驚いているとかいう話ですけど。‥うん、 確かにこのシーンだけはガチで揺れてるだろうことはわかります。 (揺れのせいで)多岐川さん自身の動きが止まっちゃってますし、 手前の家具の倒れ具合もリアルに感じられますから。
それと比べると、揺れてる最中に 川津の息子や 地下鉄の乗客たちが 逃げまどうシーン、あれは ものすごく不自然で、 緊迫感を感じないというか、醒めてしまうというか、そんな感じに なっちゃいます。普通、揺れてる最中は動かず じっとしてますからね。 というか、揺れが大きければ大きいほど 動けなくなると思うんですよ、 多岐川さんみたいに。 それと地下鉄の構内ですよね。あれほどの大地震で、街ももう ゴジラの襲撃を受けたみたいにメチャクチャになってるのに、 逃げまどう人々が薄暗い中、転ぶこともなく普通にテケテケ走れてるのも どうか、という感じです。 さらに「薄暗いって何だよ! 真っ暗だろ?!」とかも思ってしまいますが、 映画の限界か。画面をずっと真っ暗にはできないですからね‥
そのへんの違和感を感じる描写については、 マンションでの被災のシーンも、揺れてる様子に多岐川さんがビビってるシーンには リアリティを感じたんですけど。 地震後の様子になると なんかマンション全体が爆撃でも食らった後みたいな感じに なっちゃってて、そのへんは やっぱ興ざめしてしまいましたけど。 でもそれでも、マンション火災で人々が飛び降りていくシーン。 あれは地震というより、 ホテルニュージャパン火災(1982)の予言に なってる感じで、そこは「おお」という感じでした。
‥と、こんな感じに書いてみると。本映画は「よく作ってるな。リアルだ」 という部分と「単なる怪獣映画のノリじゃん」と感じさせる部分が 混在していて、なのでそのどちらが印象に残るかによって 印象がかなり変わってきそうな、そんな感じです。
あと水害のシーン。水は頑張ってるなー、と思いましたけど。 でもあの津波を見てしまった後だとねー。やっぱりねー。 水の力をちょっと過小評価してる感じがします。 でもまあ、あの大津波を実際に(映像で)見るまでは、私を含む多くの人々が まさか津波があんなものとは思わなかったわけですから、そのへんは 仕方ないですかね。まさに「百聞は一見にしかず」
地震のあと、政府は何もしてないですね(^_^;
当時の人たちが「大地震が来たらどうせ政府は何もできないさ」と
思っていて、それが本映画における政府の機能不全な描写に
結びつくとしたら。それを考えると、2011年の菅総理は
けっこう頑張ったという感じの評価になるんですかね。‥無理か。
大揺れの最中、アシダトミコの父親が 病院から飛び出して、 その勢いで地割れに挟まれて(たぶん)圧死‥のシーンはちょっと 苦笑モノですけど、ああいう挟まれ方って、実際にあるんですかね?
‥でも。この映画の後に起こった二つの大震災、そこで得られた 知見をふまえたリメイクがあったら見てみたい‥。けどまだ 東日本大震災についてはムリかな。過去になりきってないぶん、 感情が高まりすぎて冷静に見れないかもしれないし‥
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