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[チラシの裏]

太陽への脱出 (1963)

題名 太陽への脱出
作成 日活
監督 舛田利雄
脚本 山田信夫, 山崎巌
出演 石原裕次郎, 二谷英明, 岩崎加根子, 梅野泰靖, 殿山泰司
公開 1963.4.28



自衛隊装備用ということで 厳重な監視下のもと、 ごくごく限定的に製造されているはずの国産の武器。 それが東南アジアに出回っており、内戦で使われているらしい‥。 この武器の出どころが旧財閥系の貝塚製作所と睨んだ 新聞記者の佐伯(二谷)は、その証拠を求めて バンコクに乗り込んできます。 じつは 以前 貝塚製作所に勤務していて その後東南アジアで 姿を消した二人の男 -- 杉浦、そして速水という名前の男たちが、 この国産武器流出に絡んでいるのではないかという見立てを 立てていて、その二人の消息を尋ねてきたのです。

 バンコクで佐伯は一人の男に出会います。 劉という(自称)中国系の男(石原)です。 この劉という男、ある日突然バンコクに現れ、カネにものを言わせて バンコクの夜の街の実力者の一角に食い込んだようです。 ちなみにその資金源はおそらく、革命軍の戦士たちに売っている 銃器類の売り上げのようですけど。その時の佐伯はそのことを知るよしも ありません。ただ劉がどうしても中国人じゃなくて、 日本人にしか見えないんだけど‥ と、そういう感じです。

 その同じ夜。場末の酒場で童謡「赤とんぼ」を口ずさむ男の姿が。 そしてそれを遠くから見守る劉。--- 面倒くさいんで書いちゃいます。 この「赤とんぼ」を口ずさむ男が杉浦(梅野)で、劉はやっぱり日本人で 速水だったのです。速水は、佐伯の出現をかなり警戒しています。 何か不都合なことが起こったら消される、とにかく一日一日を 無難に乗り切っていくしかない‥これが速水。でも他方の杉浦は かなりガマンの限界にきていて、とにかく一刻も早く帰国したくて 仕方がない‥そんな感じみたいです。

 そんな中、本社から「ちょっと休め」命令が。ええ? ‥詳細はさておき、 ここでも二人の態度は分かれます。帰国できる! と喜色満面の杉浦と、 帰れるわけないとネガ思考の速水と。 んで東京からの指示は、無論、帰国を許すものではありません。 佐伯を警戒しろ、と。また杉浦については、東京側の人たちとしては、 一刻も早く落命してほしいみたいです。露骨ですね。わかりやすいですね。 速水としては、自分が唯一腹を割った本音の会話ができる杉浦には、 どうしても生きていてほしい‥そんな気持ちがあるようで、 東京の態度に正直焦ります。

 そして開始約39分。ここでついに「骨」です。 中原中也「骨」に曲をつけて裕ちゃんが歌うやつです。 --- そしてその歌の最中に、サイゴンで証拠を つかんできた佐伯が現れるのです。このシーンは好きだな。 佐伯は劉、いや速水に協力を要請しますが、速水は拒否します。 しかし、速水より先に佐伯と出会っていた杉浦が、やっぱり 佐伯に協力してくれるようです。

「俺は今やっと、自分のすることを選ぶ力が出てきたんだ! ‥(略)‥ 速水、元気でな」 「杉浦!」 「(笑) ‥歩き方まで違うだろう、門出だよ。第二の人生の」
‥と。ここまでの杉浦の決意と 東京の態度から、この後何が起こるのか だいたい見当はつくと思われます。空港で 杉浦は、暗殺者によって 刺殺されてしまいます。‥ああ。

 一人残った速水には、杉浦の他にも心を許せる存在ができていました。 それが家政婦の愛蓮(岩崎)です。愛蓮との結婚を決意した速水としてはこのまま、 ミスター劉としてバンコクで生涯を送るという選択肢もある訳ですけど。 訳ですけど(このへんで約60分経過)、なぜか速水は 東京(会社)を取るか、 佐伯を取るかの二者択一を迫られ、いろいろあって佐伯を選んでしまいます。 これでもう速水には 愛蓮とともにバンコクで生涯を送るという選択肢はなくなり、 佐伯ととに日本に帰るという選択肢だけになります。

 ‥つか、東京からの刺客を殺しちゃったこともあって、速水はいきなり警察に 追われる身になっちゃってるんですけど。帰れるの? 日本に?? ‥結論から言ってしまうと、速水と結婚の約束をしながら別離することになった 愛蓮の 切ない活躍で佐伯と速水は無事、日本に帰ることができました。 ここまででだいたい90分。

 しかし。ここまで命をかけて日本に帰ってきた速水と、そして佐伯を 日本で待っていたものは‥。そして速水の運命は。


つぶやき

  • ストーリー的には、まあ、よくあるムードアクションといえばそれまでなんですけど。 でも東南アジアの動乱を背景とした武器商人、いわゆる「死の商人」を 扱うというのは新鮮ですね。
  • ちなみに当時の時代背景を簡単に整理しておきます。 本作が公開されたのが1963年4月。アメリカはケネディ(JFK)大統領の頃で、 ケネディ大統領はこの半年後、1963年11月に暗殺されます。 そして本作でも描かれているベトナムの騒乱は翌1964年8月から 米軍の本格介入が開始されますが、結局 1975年4月に米軍撤退サイゴン陥落ときて 北ベトナムによる全土統一という形で終結します。 ‥つまり、まだ東南アジアの動乱は 結果がどうなるのかまったく見えない、 そんな時代に作られた話ですから、何か、 武器商人どうこうという話が、今よりずっと身近にあってもおかしくない感じですよね。
  • そしてその武器商人を演じることになったのが石原裕次郎。 「戦後最大のスター」と呼ばれるほどの存在になったのが幸か不幸か、 石原裕次郎が演じる役は ほとんど「石原裕次郎」のパブリックイメージそのものの役、つまり タフで正しくて明るくて魅力的でダイナミックで かならず勝利するような、 そんな役ばっかりです。 そしてたぶん、話し方 歩き方などの仕草から口癖表情までも いわゆる「いつもの 『石原裕次郎』的なもの」ばかり要求されてたんじゃないかと思います。 石原裕次郎が「石原裕次郎」に完全に縛られてる状況ですよね。 (だから「裕次郎は どの映画を見ても同じような演技しかしてない。大根だ」という 指摘は あまり当たってないような気がしてますし、裕ちゃんもその指摘には 不満だったんじゃないかと思います。)
  • ですので たぶん裕ちゃんは本作にはずいぶんワクワクしたんじゃないですかね。 --- いや、確かに最終的には 自分の正義を貫きとおすという点では「いつもの裕ちゃん」ですけど、 得体のしれない中国人を装った「死の商人」というヨゴレ役で、 最後は 腹を刺されたうえ 全身にマシンガンをくらって 壮絶に息絶える‥そんな役、滅多にやらせてもらえないですから。 (ちなみに、本作の2月後に公開された 「夜霧のブルース」でも、 最後はいい感じに悲しく殺されています。)
  • ヒロインが岩崎加根子さんですけど、結構良かったと思います。 バンコクという いつもと違う舞台ですから、いつもと違う女優さんが映えました。
  • 当時としては珍しい海外(バンコク)ロケが行なわれています。 日本を舞台にした作品でもそうなんですけど、ロケ地としては やっぱり観光地が 選ばれるパターンが多いですので、きっと本作でもそうなんだろうと思います。 杉浦の墓、これ、こんなとこに作っていいの?普通?? ‥なんて場所ですよね、たぶん。 それとその後、クルマで逃走するシーン。これもやはり寺院の敷地内なのでは???
  • なんかサングラスを反射させて そこに景色を映すという手法を 使いまくってますね。何なんですかね。そういう流行とか、あったんですかね。

ビデオ/DVD情報

[2013/7 現在]
  • DVDは新品は今は出てないみたいですね。amazon だと中古が 3500円くらい [Amazon]
  • レンタルは、楽天レンタル(右にバナーがあります)と、 DMM.com [DMM]にあるみたいです。

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