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夜霧よ今夜も有難う (1967)




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あらすじ

話は神戸で始まります。 結婚の約束をした二人。結婚前からすでに「男の子が3人、女の子が2人」と お互い決めてたみたいですけど、それはともかく。 待ち合わせの教会に、女は現れませんでした。のみならず、そのまま消息不明に‥

 そして4年後。舞台は横浜。
男・相良(石原)はバーのマスターに。 バーのマスターをやりながら、困った人を国外脱出させる、 そんな逃がし屋なこともしています(ただし、金では動かない)。 そんなある日、とある男(二谷)が相良のもとを尋ねてきます。 この男は「妻」と呼ぶ女を連れていたんですが、じつはその女、 4年前に行方不明になった女・秋子(浅丘)だったのです。がーん!

 その夜、バーで相良は泥酔してます。するとそこに やっぱり女が現れるのです。

「聞いてほしいことがあるの」 「今更何を聞くんだ。涙を流して、いろいろ理由があるんです‥俺はもう、 美しい唇から出る言葉も、真珠のような涙も、信じないことにしてきた。 ‥4年だ! 一口に4年といえば短いが、朝が‥」 「1500回。昼が1500回。夜も同じだけあったわ」 「気の遠くなるほど長い話さ。‥さあ話してみろ。いくらでも聞くよ」
そして語られる内容は、相良が期待したこととはずいぶん違ったことでした。 女を「妻」と呼んだ男は東南アジアの革命家、グエン。 グエンは正規のルートでは帰国できない、だから何とか密航を手配してほしい、 シンガポールまで行ければ何とかなる、 あなたは以前、東南アジアの人たちのためにできることが あったら、とか言ってたじゃない‥‥など、 あの手この手で相良を説得にかかるのですが、相良は拒絶します。 交渉決裂。 ‥‥ん? この展開、どこかで見たことが‥と思う人もいるかもしれません。 実はこの作品、別名「和製カサブランカ」と呼ばれています。つまり 裕ちゃんがボギーで、ルリ子さんがバーグマンの役をやってると言えば、 カサブランカを見たことのある人なら、この話がこれからどういう展開になるか、 だいたい見当つくと思われます。 (ただしSamはいません。Samに相当する役は高品さんか郷さんでしょうけど、高品さんも 郷さんも歌わないから‥というか、この作品の場合はマスターが歌っちゃいますからね。 ちなみにSamの歌はこんな感じ (As Time Goes By))

 さて、早くも情勢は迫ってきます。 グエンの祖国から一刻も早く帰国を‥との催促。そして横浜でも グエン包囲網が目に見えて強まってきて、 地元暴力団も動員されて、いきなり相良がマークされてしまいます。 (「吐け、グエンはどこにいる?」と言われて、左手にドスを刺されてます。 痛そう‥) 何とかその場を逃れる相良でしたが、グエンが潜伏するホテルがすぐにバレます。 かくてグエン夫妻+相良の脱走劇となります。 とりあえず教会に逃げ込んだグエン夫妻と相良。グエンは相良に秋子を連れて 二人で逃げてくれないかと言い出します。そしてグエンが語りだす、4年前の真相--- 教会に向かう秋子は、グエンが運転する車にはねられたこと。そしてその際、 秋子は子供が産めない身体になってしまったこと。 「男の子が3人、女の子が2人」が、皆の心に 重くのしかかります‥

 なんとか教会から脱出し、グエン夫婦は相良のバーに潜伏。 相良と秋子は、互いの心の中に あのころ のこと、 強い恋心が残っていることを確認しあい、グエンも秋子を置いてく気満々に。 そんな中、ついにシンガポール行きの船が見つかります。 このシンガポール船、日本の沖を通過するだけだったはずなんですけど、 たまたま急患がでて、 急遽 一部乗員を乗せてモーターボートで上陸することになったのです。 それをチャンスと動き出す相良たち。そして、その動きを察知した 暴力団たち。そして最後の乱闘シーンへ。裕ちゃん、引きで見ると、 まだまだ十分行ける感じですね。 ただ残念なのが、敵の親玉的役割だった鬼頭(内田)が、グエンの拳銃で あっさりと殺られてしまうことですね。勿体ない‥。

 そして、いよいよ最後。無事、シンガポール行きボートにたどり着いた一行。 グエンは一人で行くのか? 秋子をボートに乗せる相良。

「(グエンに)幸運を祈ります」 「相良さん!(相良と握手)」 「(秋子に)幸せに。‥僕たちは、1500回の昼と夜を取り戻した。 これでいいんだ」

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つぶやき

  • ムードアクションです。じつにムード一杯です(^o^) ただ、「帰らざる波止場」と比較すると、ちょっとアクション強め、 そのぶんムードは若干弱め。そんな感じに、私には見えます。
  • アジアの革命家を二谷英明が、そして黒人のハーフのボクサーを 郷鍈治が演じています。ので、国際感覚溢れる感じのはずなんですけど、 まあ、いつもどおりな感じです。しかし、変にいつもと違う雰囲気ですと、 じっくりムードに専念できない虞があることを考慮に入れると、やっぱ、 「いつもどおり」な感じでいって正解でしょうね。
  • 郷鍈治の相手役として、太田雅子(のちの梶芽衣子)さんが出てます。 まだ可愛い感じなんですけど。でも顔はやっぱ梶芽衣子と基本、 同じ顔ですからね。今となってはちょっと違和感がないこともないです


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