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十王讚歎鈔

伝 日蓮上人 撰(伝 1254(建長6)年)『十王讃歎鈔』の大雑把訳です。

[ 底本: 立正大学宗学研究所編(1954)『昭和定本 日蓮聖人遺文 第三巻』総本山身延久遠寺, pp. 1966 -- 1993. ]


 

十王讚歎鈔

[Table of Contents]

十王の方便

十王の本地は如来・菩薩でありますが、輪廻やまぬ凡夫への慈悲ゆえに、 本性隠して憤怒見せ、衆生が冥途に [p.1967] 向かう途中、冥闇の道に身をおかれ、 初七日から三年まで、各人の罪業のその重さを判断されて転生先をお定めになる。

 これを名付けて十王と。

 このような菩薩の方便は何故か? かような糺明もし無いと、罪業を恐れる人がいなくなり、 生死の解脱も無理になるから。

[Table of Contents]

十人の王たち

1:秦廣王/不動明王 臨終、中有、死出の山
2:初江王/釋迦如來 三途河、懸衣翁と懸衣嫗、壇荼幢
3:宗帝王/文殊師利菩薩 業関、倶生神
4:五官王/普賢菩薩 業江、業秤
5:閻魔王/地藏菩薩 倶生神、光明院、淨頗梨鏡
6:變成王/彌勒菩薩 鉄丸所、三つ辻
7:泰山王/藥師如来 闇鉄所、大勢の前で、六鳥居
8:平等王/觀世音菩薩 鉄氷山、母親の恩
9:都弔王/大勢至菩薩 光明箱
10:五道輪轉王/釋迦如來 地獄の話(等活、無間)
[次] 1:秦廣王/不動明王